*** june typhoon tokyo ***

FC東京×清水@駒沢 【ナビスコ】

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 “駒沢大開放”ということで、急遽参戦決定。ホーム自由のチケットはすでに完売していたので、メインスタンドで観戦することに。梅雨入りが発表された東京だが、気温が高く、消耗が激しい試合になりそうな予感だ。

 前半は、清水のペースで試合が進む。ボール支配はそれほど低くはなかったが、どちらかというと低い位置でもたされている感じ。また、つまらないミスでボールを失う場面が多く、ゴール前での好機を作り出す展開も清水の方が多かった。それだけに、前半早々のゴールが大きかった。近藤がゴール前に浮き球でパスを出したところ、競り合いに勝ったカボレがキーバーの頭上を越えるループ気味のヘッド。この先取点がなければ、この試合の結果もどちらに転ぶか解からなかったと思う。

 前半終了直前あたりから、次第に東京も流れをつかめる時間帯が出来て、一進一退のまま前半が終了。ただ、こういった展開では、次の2点目を早いうちにとっておかないとバタバタして一気に劣勢になるパターンが多いので、是非とも追加点が欲しいところ。後半、前をよく追っていた近藤に代わって鈴木達也が入り、サイドからの速い仕掛けを目論むと、ペナルティエリア右サイドから田邉が中央に切り込んできた石川にパス、石川は足元で相手DFを巧みなタッチでかわして瞬時にシュート。これが決まって2-0となった。
 さらに攻勢が続く東京は、カボレに代わった赤嶺が相手ペナルティエリア内右側で青山に倒されPKを獲得。これに納得がいかない青山はレフェリーに執拗に異議をすると、2枚目のイエローが出て退場。PKは赤嶺が一度はGK西部に弾かれるも、これはシュート前にGKが動いたということでやり直しに。これに異議をした岩下にイエロー。やり直しPKは赤嶺が右隅上にこれ以上ない場所にドスンと決めて3-0。これで勝負あった(はずだった)。

 だが、一旦リードすると気持ちを緩めてしまうのか、タイム・アップまでをどう戦うかという意志統一が曖昧なのか、畳み掛けて攻める訳でもなく、ボールを積極的に動かして相手に肉体的そして精神的に疲れさせてゲームを運ぶ訳でもなく、なんとなく感覚的にパスをしているところでボールを失ってしまい、10人の清水から攻勢を受けることに。右からのニアへの低いセンタリングをフリーになっていた途中出場の大前にヘッドで決められ3-1となると、さらに後半から出場の長身の長沢にボールを集めて、そこを起点として攻め上がり、DFが翻弄されペナルティエリア内に進出されたところを引っ掛けてPKを与えてしまう。そこは権田のビッグセーヴで凌いだが、そこで決められていたら、試合の結果も解からなかった。

 全体的に、東京の良い部分と相変わらず悪い部分との両面が露呈された試合だったといえる。良い部分としては、得点をしても、またもう1点を獲りに行こうという気持ちが見えていたこと。また、中盤の米本、田邉の若手が懸命に食らいつくだけでなく、このところ試合に出ている成果もあって、瞬時の判断能力にも余裕や積極性がみられていたところか。近藤のチェイスも評価出来た。いつもこれくらいの運動量で走り回ってくれるとさらに良いのだが。
 懸念されていたCB、ブルーノと平松のコンビも、山形戦からは大幅に修正されていて、危なっかしいプレイは激減した。ただ、ここぞという時のマークのずれ、エリア内でのファウルと、集中力の持続が課題ではあった。それは先発した椋原にもいえ、果敢に右サイドを駆け上がっての攻撃参加が評価出来る反面、清水に裏をとられる場面も散見した。また、大前に決められた失点時には、椋原のマークが甘かったこともあっただろう。一試合を通じての集中力の持続、危機管理、危機察知を高めていかねばならないだろう。
 梶山も米本と連係をして質の高いゲーム作りをしようという気持ちがあったが、やはり不用意なミスパスやあてずっぽ感のある変則的なプレイでロスト・ボールする場面がみられた。それをリードしているとはいえ、ゲームが完全に落ち着かない状態での2-0や3-0の時にやられると、一気に流れを失うこともあるので、やはりこのあたりは留意してもらいたい。単にボールを奪われるだけでなく、周囲の選手たちにも疲れを生む原因になってしまうのだから。この不安定さがなくなれば、梶山はさらに数段レヴェルの高いプレイヤーになると思うのだが。ただ、その頻度はいつもよりも少なく、ボールをしっかりと繋げることも出来ていたので、その点については評価していい。やはり彼のポジションはチームの心臓部で、ゲームの結果に直結するだけに、いっそう安定した、信頼感のあるプレイが求められるといえる。
 先ほど褒めた田邉と米本だが、もう一瞬前にパスを出すなり、シュートを打つなりすると、さらによい。というか、そこを突き詰めていかないと、Jという舞台では次第にプレイに限界を作ってしまう。安定と瞬時の判断、そして独創的なプレイ、この3点を同時に高めていくことはかなりの質を求められ困難ではあるが、ピッチに立てばハイティーンであることも関係ないのだから。
 一方で、伸び悩んでいる感のある途中出場の大竹。昨年はブレイクしたが、持ち味をなかなか活かせずに、アピール出来ていないことも最近は少なくない。米本、田邉の勢いに負けることなく、アグレッシヴにもっとガムシャラにやってもいいのではないか。東京には数少ないFKを蹴れる人材だし、なにより魅惑的なドリブルとパスは、相手を翻弄するに充分のものを持っている。後半の爆発に期待したい。

 復調したカボレ、相変わらず好調の石川と期待感が高まる要素が多くなってきたのはいいこと。だが、やはり基本は守備。そこは徹底してもらいたいところ。今日は勝ったが、相手の清水は岡崎が代表で、ヨンセンや山本も出場せずと、完全な布陣ではないことも確か。決勝トーナメントでは、準決勝で当たる可能性もある。リーグでももちろん。後半中盤から終盤にかけてのゲームコントロールの拙さを緻密な練習で修正して、ナビスコ決勝へ、そしてリーグ後半へと繋げてもらいたいところだ。


◇◇◇

2009 ヤマザキナビスコカップ 第7節

FC東京 3(1-0、2-1)1 清水

【得点】
(東): カボレ(前半6分)、石川(後半16分)、赤嶺(後半28分、PK)
(清): 大前(後半38分)


会場: 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場
観客: 12,538人


≪STARTING LINE-UP≫
GK 20 権田修一
DF 33 椋原健太
DF 04 ブルーノクアドロス
DF 15 平松大志
DF 25 徳永悠平
MF 28 米本拓司
MF 10 梶山陽平
MF 18 石川直宏
MF 27 田邉草民 (→ 後半30分、大竹)
FW 09 カボレ (→ 後半21分、赤嶺)
FW 32 近藤祐介(→ 後半12分、鈴木)

≪SUBSTITUTION≫
GK 01 塩田仁史
DF 03 佐原秀樹
MF 01 浅利悟
MF 17 金沢浄
MF 19 大竹洋平
MF 40 鈴木達也
FW 24 赤嶺真吾

≪MANAGER≫
城福浩

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