ミッドウィークにて行なわれたアウェイでの大宮戦は、FC東京が前田、大久保嘉人が得点を決めて2対1で勝利。リーグ戦としては6月初めの清水戦以来の勝ち点3となった。FC東京は3バックの一角にチャン・ヒョンスを配して守りと推進力を補い、先発にはこの試合でJ1リーグ通算400試合出場達成となる前田を起用。序盤こそ大宮が右サイドから奥井、左サイドからマテウスが攻め上がり、江坂やマルセロ・トスカーノに合わせていこうとするが、FC東京もチャン・ヒョンス、丸山を中心に最後は決めさせない。大宮はボールこそ持つものの、次第に収まりどころやアイディアが乏しくなってくると、FC東京がサイドからの攻撃を中心にジワジワと大宮ゴールへと迫っていく。
30分、CKをコンスタントに獲得していたFC東京が、太田のCKからゴール前の混戦で前田が押し入れて先制。その勢いでさらに圧を掛けていくと、ボール支配率はグッとFC東京へ傾くものの、最後のシュートまではなかなか至らず、追加点を奪えずに前半を終える。
後半も大宮が序盤は攻勢を仕掛けるが、決定機を作れずにいると、FC東京は守備から攻撃へのリズムを掴み始め、大宮のゴール前へ迫る時間も増加。それに対して大宮は瀬川、大山をピッチに送り込んで流れを変えようとすると、その効果が生まれる。69分、右サイドからのマルセロ・トスカーノのFKのクロスがゴール前の競り合いからこぼれたところを、ボックスやや左にいたカウエがハーフボレーで突き刺して大宮が追いつく。FC東京はゴール前に人数はかけていたものの、またしてもセットプレーから失点を生んでしまった。
どうしても勝ち点3を持ち帰りたいFC東京は、先制点を挙げ自らJ1400試合出場を祝した前田を下げて、大久保嘉人をピッチに送り出す。すると77分、左サイドライン際から丸山が左エリア奥へスルーパスを出すと、太田がゴールラインギリギリのところで中央へマイナスに折り返す。中島が反応しかけるも無理をせず、中央に入って来た大久保嘉人が大宮カウエの寄せの甘さを冷静に判断して左隅へグラウンダーのシュートを流し込み勝ち越し。このリードをしっかりと守り切ったFC東京が、リーグ戦では7試合ぶりの勝ち点3をゲットした。
前田の先制点、大久保嘉人の技ありゴールで勝ち越しと複数ゴールが見られたが、それでもシュート数は大宮の7本に対して、FC東京は4本。後半はおそらくゴールとなった大久保嘉人のシュート1本だったかと思う。特に先制して攻勢を強めた時間帯に相手陣内までは持ち込むものの、相変わらずシュートを打たないまま攻撃を終えてしまう展開が重なっていった。それほど大宮が圧をかけてブロックしてきた訳でもないことを考えると、攻撃は非常に不完全燃焼。後半に大久保嘉人の個人技で勝ち越せたものの、そこで決め切る大久保嘉人と、決定力不足だった大宮という違いだけで、チームとして攻撃を為せていたかというと、甚だ疑問。ここ4試合未勝利で降格圏内に低迷する大宮に対して全体で4本しかシュート出来なかった状況を考えると、上位相手に果たしてシュートチャンスを生み出せるのかどうか。もっと積極的なシュート意識を持たないと、勝ちを手繰り寄せることは出来ない。
また、守備面では相変わらず裏のスペースを取られる場面が散見。チャン・ヒョンス起用の効果は確かにあったものの、まだまだ連係面で不安が残る。特に守備の際にはスペースを埋めるスライドの部分や、攻守の切り替えからビルドアップしようとする場面でまだまだ判断や動き出しで後手を踏む選手が多い。考えながら、迷いながら球出しや寄せをするのではなく、感覚で味方との距離感のバランスを取れるようになるといいのだが、そこまではまだかかりそうだ。
それと、選手起用について。得点を挙げる以上にボールを収めて攻守に貢献した前田を下げて、大久保嘉人を投入したことについては、大久保嘉人がしっかりと結果を出したことで評価されていい。ただし、東の投入での効果は古巣大宮に対するモチベーションという意外はほとんど効果を生まず、さらにその後山田をディフェンス強化で送り込んだが、放り込んでくる大宮に高さと守りを固めてカウンターという戦術であれば、東ではなく永井、あるいはボールを収められるウタカという選択の方が適していると考えるがどうか。
終盤での交代で流れを渡してしまうことほど愚策はないゆえ、どのような意味合いでなされたのか、充分に検討して、戦術の修正を図るべきだ。今後上位を窺うためには、さらに1、2段階レベルを上げたパフォーマンスが必要不可欠となる。
次節は再び中3日での神戸戦。リーグ戦のホーム勝利となると4月末の広島戦まで、約3ヵ月以上遡ることになる。ルーカス・ポドルスキやハーフナー・マイクといった強力な攻撃陣を補強した神戸に、しっかりと結果を残すことが出来るのか。ウタカ、永井には負担を強いることをせずに終えたことをポジティヴに捉え、連勝を掴み取りたい。
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【明治安田生命J1リーグ戦 第21節】
2017年08月09日(水)19:03 試合開始 NACK5スタジアム大宮
入場者数 11,115人
天候 曇のち晴 ／ 気温 28.1℃ ／ 湿度 65％
主審 松尾一 ／ 副審 名木利幸、岡野宇広 ／ ４審 西尾英朗
大 宮 1（0-1 / 1-1）2 FC東京
≪得点≫
（宮）： カウエ（70分）
（東）： 前田遼一（30分）、大久保嘉人（77分）
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【FC東京 メンバー】
≪スターティングメンバー≫
GK 33 林 彰洋
DF 04 吉本一謙
DF 05 丸山祐市
DF 14 チャン・ヒョンス
MF 08 高萩洋次郎
MF 02 室屋 成
MF 37 橋本拳人
MF 07 米本拓司 → 山田将之（90+3分）
MF 06 太田宏介
FW 20 前田遼一 → 大久保嘉人（73分）
FW 23 中島翔哉 → 東 慶悟（85分）
≪サブスティテューション≫
GK 01 大久保択生
DF 36 山田将之
MF 10 梶山陽平
MF 15 永井謙佑
MF 38 東 慶悟
FW 13 大久保嘉人
FW 09 ピーター・ウタカ
≪監督≫
篠田善之
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【2017明治安田生命J1リーグ FC東京 日程】
第01節 02/25(土)14:00〇FC東京 1-0 鹿 島（A・カシマ）
第02節 03/04(土)15:00〇FC東京 2-0 大 宮（H・味スタ）
第03節 03/11(土)19:00✕FC東京 0-3 Ｇ大阪（A・吹田Ｓ）
第04節 03/18(土)19:00〇FC東京 3-0 川 崎（H・味スタ）
第05節 04/01(土)16:00△FC東京 3-3 鳥 栖（H・味スタ）
第06節 04/08(土)19:00✕FC東京 1-2 札 幌（A・札幌ド）
第07節 04/16(日)14:00✕FC東京 0-1 浦 和（H・味スタ）
第08節 04/22(土)16:00〇FC東京 3-0 新 潟（A・デンカＳ）
第09節 04/30(日)15:00〇FC東京 1-0 広 島（H・味スタ）
第10節 05/07(日)14:00〇FC東京 2-0 仙 台（A・ユアスタ）
第11節 05/14(日)15:00✕FC東京 1-2 柏 （H・味スタ）
第12節 05/20(土)19:00△FC東京 1-1 神 戸（A・ノエスタ）
第13節 05/28(日)16:00△FC東京 1-1 甲 府（H・味スタ）
第14節 06/04(日)13:00〇FC東京 2-0 清 水（A・アイスタ）
第15節 06/18(日)18:00✕FC東京 0-1 横浜FM（H・味スタ）
第16節 06/25(日)18:00✕FC東京 0-2 磐 田（A・ヤマハ）
第17節 07/02(日)19:00✕FC東京 1-3 Ｃ大阪（A・金鳥スタ）
第18節 07/08(土)19:00△FC東京 2-2 鹿 島（H・味スタ）
第19節 07/30(日)19:00△FC東京 1-1 新 潟（H・味スタ）
第20節 08/05(土)19:00△FC東京 1-1 川 崎（A・等々力）
第21節 08/09(水)19:00〇FC東京 2-1 大 宮（A・NACK５）
第22節 08/13(日)19:00 FC東京 vs 神 戸（H・味スタ）
第23節 08/19(土)19:00 FC東京 vs 浦 和（A・埼 玉）
第24節 08/26(土)19:00 FC東京 vs 横浜FM（A・日産ス）
第25節 09/09(土)19:00 FC東京 vs Ｃ大阪（H・味スタ）
第26節 09/16(土)19:00 FC東京 vs 仙 台（H・味スタ）
第27節 09/23(土)16:00 FC東京 vs 柏 （A・ 柏 ）
第28節 09/30(土)16:00 FC東京 vs 磐 田（H・味スタ）
第29節 10/15(日)14:00 FC東京 vs 甲 府（A・中銀スタ）
第30節 10/21(土)16:00 FC東京 vs 札 幌（H・味スタ）
第31節 10/29(日)17:00 FC東京 vs 清 水（H・味スタ）
第32節 11/18(土)14:00 FC東京 vs 鳥 栖（A・ベアスタ）
第33節 11/26(日)13:00 FC東京 vs 広 島（A・Ｅスタ）
第34節 12/02(土)14:00 FC東京 vs Ｇ大阪（H・味スタ）
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