*** june typhoon tokyo ***

近況注意報 1217 音楽篇

 やっぱり逐一アルバム・チェックしないとダメだな-と思いながらも、「体力の限界(財力ともいう)、気力もなくなり(老化ともいう)……」というライク・ア・千代の富士の引退口上のような状態に陥ってるかもしれない野球狂。ですどうも。

 前回より月日が経ちましたが、今年の「My Favorites Album」企画のこともあるので、ひとまず最近チェックしたアルバムの一部を列挙しておこうかと思います。数が多いのでレビューもどきの短文で誤魔化してますが、そこはご容ク赦テリア。(ハァ?)

 ということで、どんと見据えて!(Don' miss it!)

◇◇◇

Afro Parker/Life
Alicia Keys/Here
A Tribe Called Quest/We got it from Here... Thank You 4 Your service
Beyonce/Lemonade
Bruno Mars/24K Magic
Cicada/Formula
Common/Black America Again
Craig David/Following My Intuition
Domo Genesis/Genesis
Eric Benet/Eric Benet
Fantasia/The Definition of...
Frank Ocean/Blonde
Gallant/Ology
Hidden Figures:The Album
Hikaru Utada/Fantome
Izzy Bizu/A Moment of Madness
Jacob Collier/In My Room
Jacob Latimore/Connection
Jamila Woods/Heavn
Jared Evan/The Blanket Truth
Joe/My Name Is Joe Thomas
Kindred The Family Soul/Legacy of Love
Nao/For All We Know
Nao Yoshioka/The Truth
Noname/Telefone
Phonte & Eric Roberson/Tigallerro
Solange/A Seat At The Table
T.A.M.M.I/Sleeping Nukes of Mine
Tinashe/Nightride
Usher/Hard II Love
The Weeknd/Starboy

◇◇◇

■ Afro Parker/Life

 2MC+楽器隊5人からなる生音ヒップホップバンド、“アフロパ”による2ndアルバム。ヒップホップをベースにしながら融通を効かせた雑多で楽しい音楽遊戯。サラリーマン哀歌などの日常を飾らずに描く。

AFRO PARKER - Life Is Good


■ Alicia Keys/Here

 『ガール・オン・ファイア』以来4年ぶりの6thアルバム。女性としてより意識が高揚したのかジャケットはすっぴんで勝負。エイサップ・ロッキー客演の「ブレンディッド・ファミリー」や夫のスウィズ・ビーツ制作曲などを収録。

Alicia Keys - In Common


■ A Tribe Called Quest/We got it from Here... Thank You 4 Your service

 ATCQの18年ぶりのアルバム。急逝したファイフ・ドーグのヴァースも含まれているとのことだが、懐かしさとユーモアが交差した作風に。アンドレ3000、ケンドリック・ラマーほか豪華なゲストで華を添えている。

A Tribe Called Quest - We The People....


■ Beyonce/Lemonade

 最近は音源と映像をパッケージするスタイルを構築しているB嬢だが、本作もケーブルテレビ局でショートフィルムを流した後に音源を発表。ジェイ・Zに対する浮気疑惑の追及をアルバムでやる肝の座り具合には感服するしかない。

Beyoncé - Formation


■ Bruno Mars/24K Magic

 「アップタウン・ファンク」で賞レースを席巻した彼が、今度は自作で狙いに来た約4年ぶりの3作目。「24K・マジック」ほか、ディスコ・ブギー、JB風ファンクからニュージャックスウィングまでの楽しいブラックてんこ盛り。

Bruno Mars - 24K Magic


■ Cicada/Formula

 メジャー・デビュー作となる2枚目。ヒップホップ濃度が高まってはいるが、持ち前のポップネスは失われずに、むしろ奥行きを増した感じ。紅一点のヴォーカル、城戸あき子の声色もより豊潤に。レビュー→『formula』

CICADA(シケイダ)- ゆれる指先

 
■ Common/Black America Again

 シカゴ出身のリリシスト・ラッパーが“黒人の生命”について問うたと思われる11作目。スティーヴィー、ジョン・レジェンド、ビラル、BJ・ザ・シカゴ・キッド、マーシャ・アンブロージアスらが参加したコンシャスな一枚。

Common - Black America Again ft. Stevie Wonder


■ Craig David/Following My Intuition

 “2ステップの貴公子”が2ステップにも回帰しながら良き時代のR&Bを提示した約6年半ぶりの一枚。クラブ/ダンス系の作家陣を迎えながら、UKガラージとR&Bの融合を追求。「16」など思わず身体が動きそうで、劣化は一切なし。 

Craig David - One More Time


■ Domo Genesis/Genesis

 LAの音楽集団“オッド・フューチャー”のラッパーによるソロ・デビュー作。「ダッパー」のアンダーソン・パークやウィズ・カリファほか多彩な客演で、ミステリアスで漂流感漂うヒップホップ/ソウルを構築。

Domo Genesis - DAPPER feat. Anderson .Paak


■ Eric Benet/Eric Benet

 “リアル・ソウルの伝道師”が20年超のキャリアで初めて冠したセルフ・タイトル作。安定感とネオソウル然とした質感は期待に違わぬもので、「サンシャイン」は北米ラジオR&Bチャートで1位に。タミアとのデュエットは日本盤に。

Eric Benet - Sunshine


■ Fantasia/The Definition of...

 『アメリカン・アイドル』優勝者という華やかさとは裏腹に壮絶な人生を送って来ただけに、かつては歌に力が入り過ぎるきらいもあったが、本作はポジティヴに。これぞR&Bディーヴァという歌は間違いなく本物。

Fantasia - So Blue


■ Frank Ocean/Blonde

 当初は『ボーイズ・ドント・クライ』と呼ばれ、アップル限定公開のヴィデオ作『エンドレス』の直後に発表したアルバム。内包的な作品ゆえ評価は分かれるところだが、成熟度は上昇。ビヨンセ、ケンドリック・ラマーほかが客演。

Frank Ocean - Solo


■ Gallant/Ology

 米・メリーランド州出身、LA拠点のR&Bシンガーのデビュー・アルバム。何よりもエモーショナルなファルセット・ヴォイスが特色で、フランク・オーシャンの質感とサム・スミスの歌唱の邂逅とも。濃密なトーンのネオソウル。

Gallant - Miyazaki


■ Hidden Figures:The Album

 ノンフィクション映画のサントラ。ファレル・ウィリアムスの全曲プロデュースで、映画主演のジャネール・モネイほか、アリシア・キーズ、メアリー・J.ブライジ、レイラ・ハサウェイらが盛り上げる。安定のファレル節。

Lalah Hathaway, Pharrell Williams - Surrender (Live at TIFF)


■ Hikaru Utada/Fantome

 “人間活動”を経ての『HEART STATION』以来8年ぶりのアルバム。譜割りや詞世界はかなり成熟した感があり、もはや比類対象はなく“宇多田”としかカテゴライズ出来ないほどに。レビュー→『Fantome』

宇多田ヒカル「真夏の通り雨」(Short Version)


■ Izzy Bizu/A Moment of Madness

 英メディアに絶賛され、新世代ソウルフル・ポップ&ファッション・アイコンとして期待される新鋭シンガー・ソングライターのデビュー作。キュートなアデルとでも言えそうなヴォーカルとソウルフルな作風が魅力。

Izzy Bizu - White Tiger


■ Jacob Collier/In My Room

 クインシー・ジョーンズの肝入りとなる“一人多重録音”の天才、ジェイコブ・コリアーのデビュー作。ソウル、ヒップホップ、ベース・ミュージックまでを包含したフューチャー・ジャズ風か。意外と太い声に“好み”が出そう。

Jacob Collier - Saviour


■ Jacob Latimore/Connection

 こちらのジェイコブは、親戚にケニー・ラティモアを持つミルウォーキー出身のR&Bシンガー・ソングライター。15歳でティーンアイドルとしてデビューした時のあどけなさを払拭した、セクシーな仕上がりとなっている。

Jacob Latimore - The Real


■ Jamila Woods/Heavn

 シカゴ出身のシンガー/詩人、ジェイミーラ・ウッズのデビュー・アルバムはなんとフリーダウンロード。時折オーガニックな部分も覗かせるR&Bで、黒人、女性などについて歌う。チャンス・ザ・ラッパーらが参加。

Jamila Woods - Blk Girl Soldier


■ Jared Evan/The Blanket Truth

 NY出身のシンガー/ラッパー、ジャレッド・エヴァンのアルバム。ミネソタのラッパー、アラン・キングダムを迎えた「ジ・エンド・ゲーム」やイルマインド制作の「ビッグ・ブラザー」など、ポップネスを湛えた作風に。

Jared Evan - Role Model


■ Joe/My Name Is Joe Thomas

 キダー・マッセンバーグの下を離れて初となる12作目。引退を仄めかしてのフルネーム・アルバムだからか、アデル「ハロー」のカヴァーなどR&Bに留まらない絶唱ぶりを披露。沁みるドラマティックなミドルが多め。

Joe - Happy Hour ft. Gucci Mane


■ Kindred The Family Soul/Legacy of Love

 ネオフィリー・シーンを築いたオシドリ夫婦デュオの6thアルバム。ジェイムス・ポイザーら多才な制作陣が集っているが、愛情の力なのか、これまでと同様終始ブレないネオソウルを披露。生命感が躍動するスムーズな作風。

Kindred the Family Soul - All My People ft. Freeway


■ Nao/For All We Know

 “ネイオ”と読む英・ノッティンガム出身の28歳のデビュー作。ディスクロージャー『カラカル』にゲスト参加し注目を浴びた、近未来R&B路線。伸びやかでスウィートな歌唱は、時折ブランディを彷彿とさせることも。

NAO - Girlfriend


■ Nao Yoshioka/The Truth

 大阪出身のソウル・シンガーの3rdアルバム。従来とは矛先を少し変え、ネオソウル路線へ挑戦。ジル・スコットあたりを想起させる作風はなかなか上質。個人的には「ビューティフル・インパーフェクション」が好み。

Nao Yoshioka - I Love When


■ Noname/Telefone

 前述のジェイミーラ・ウッズ同様、チャンス・ザ・ラッパー周辺でも活動するシカゴの女性ラッパーで、こちらもフリーダウンロード作。とぼけた(?)ジャケだが“オーガニックソウル・ミーツ・ガーリー”的な展開はなかなか。

Noname - Diddy Bop (ft. Raury & Cam O'bi)


■ Phonte & Eric Roberson/Tigallerro

 フォーリン・エクスチェンジ(FE)のフォンテとネオソウル勢を手掛けるエリック・ロバーソンのコラボ作。FE一派のニコライやゾー、パリス・ストローザー(キング)ほかが集結し、ジャジー&メロウな心地良いグルーヴを構築。

Phonte, Eric Roberson - Something


■ Solange/A Seat At The Table

 姉の『レモネード』以上に傑作といえる、約8年ぶりのフル作。全米初登場1位となるのも当然で、終始アンビエントな空気を帯びたR&Bで貫徹。生々しさを美的なものへと昇華したのは、ラファエル・サディークの力によるところ大。

SOLANGE - CRANES IN THE SKY


■ T.A.M.M.I/Sleeping Nukes of Mine

 京都を拠点とする女性シンガーのフル・アルバム。やや土の薫りを感じさせる声色で展開するフューチャリスティックなソウルネスが特色。派手さはないが、ジワジワと内側から浸透するようなグルーヴが耳を惹かれる。

T.A.M.M.I - sleeping nukes of mine teaser


■ Tinashe/Nightride

 トラップ/アンビエントR&B歌姫として期待されるも、2ndアルバム『ジョイライド』や来日公演が中止を余儀なくされ、厄払いした方が良さそうなティナーシェ。ミックステープ名義ながらポップ寄りに妥協しない好内容で一安心。

TINASHE - Nightride


■ Usher/Hard II Love

 約4年ぶりの通算8作目。現代美術家のダニエル・アーシャムが手掛けた灰とクリスタルによるアートワークはやや背筋がゾクゾクしそうだが、内容は見事な先進性豊かなR&B。出演映画への書き下ろし「チャンピオンズ」なども収録。

Usher - No Limit ft. Young Thug


■ The Weeknd/Starboy

 先行シングルとなるタイトル曲に迎えたダフト・パンクのほか、ケンドリック・ラマーやラナ・デル・レイらの客演を含む、ウィークエンドのメジャー4作目。時流を掴むアンテナは健在か。しばらくは勢いが続きそうな予感。

The Weeknd - Starboy


◇◇◇

















 以上です、キャップ。










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コメント一覧

野球狂。
こちらもクリケイネタで。
http://blog.goo.ne.jp/jt_tokyo
Hide Grooveさん、こんばんは。

自分もビヨンセは『サーシャ・フィアース』の別人格出したくらいから徐々に関心が薄れ始めてきまして。といっても、アルバム買ってたりするんですが、やっぱり「クレイジー・イン・ラヴ」「デ・ジャ・ヴ」とかが真骨頂だと思うので、近作にはリリース直後に聴きたい!みたいな衝動がなくなりました。もちろん、作品のクオリティの凄さはわかるんですけども……宇多田とおんなじ感じですかね。

クリケイは結構ライヴに行ってました。ただ、フジのドラマ主題歌「恋に落ちたら」がヒットしちゃったもんだから、結局ポップ路線を強いられてR&B路線からズレてしまったのが残念でした。
いつだかのスプリングルーヴでクリケイを発見しました。普通に隣で座って同じくハーフっぽい人と飲食してたんですが、その時間がちょうど友人だという加藤ミリヤの出番の時で、「あ、クリケイは加藤ミリヤのステージは見ないんだな」と笑った思い出があります。

小ネタの思い出話、歓迎です(笑)
Hide Groove
やはり姉妹だけあって顔だけじゃなくて、以前は歌声も似ていましたが、新作でSOLANGE自身の歌唱法を身につけてきた感があります。

それぞれの魅力はあると思うのですが、ビヨンセはあまり興味がそそられず…💨

そういえば渋谷で行われたディスチャーの初日本公演に行ったときに、肩を揺らしながらノリノリのCrystal Kayを発見。まだクリケイがそれほど成功していない時期だったので、客が騒いではいなかったな。

勝手に思い出話しをダラダラとすみません。
野球狂。
体調ご自愛ください!
http://blog.goo.ne.jp/jt_tokyo
Hide Grooveさん、体調いかがでしょうか。早く快復するといいのですが。

ソランジュはようやく自身で進むべき道を見つけたというか、Hide Grooveさんの言うように、姉のビヨンセのしがらみから抜け出した感じでよいですよね。しっかりとソランジュの音楽を鳴らせているというか。

そう思いながらも、PV見たら、やっぱり姉妹だなーとも思ったりするんですけどね(笑)

Hide Groove
風邪長引いてます
野球狂。さん、攻めてきますね~😁
このラインナップの中では4枚だけ持っていますが、SOLANGEの新作は驚かされました。
彼女の2008年のアルバムが、70年代SOULを新しい解釈で作り上げた感じでなんともお洒落なフィーリングを醸し出し気に入っていましたが、本人のボーカルが多少不安定でもありました。

しかし新作でのSOLANGEのボーカルを聴いて、高音のファルセットやしっとり聴かせる力量に…
『姉ちゃんと比較されて辛かったよな』
そんな思いで聴いております。

ある意味姉ちゃんとは真逆なアプローチとも感じる今作!うたかたのような儚さが伝わってきます。

ダラダラと1週間風邪長引いてますが、野球狂。さんも気を付けてください😁
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