*** june typhoon tokyo ***

FC東京×広島@味スタ

■ 雨中の決戦は広島に軍配


 予報から雨は想定していたが、強風がここまで吹こうとは。強風のために、首都圏の電車に軒並み運転見合わせや運転遅れが発生。さらに一部では人身事故など等が重なり、味の素スタジアムへ辿り着いたのが、試合開始直前となった。ピッチコンディションも良くないなかで、自分たちのサッカーを貫こうとしたが、広島の一瞬の鮮やかなカウンターで失点。3連勝の勢いを持って好調の広島をホームで叩いて4連勝というFC東京サポーターの筋書きは、文字通り水を差されることとなった。

 長谷川を出場停止で、梶山を怪我で欠くところには、高橋と田邉がコンビを組んで入った。両サイドには谷澤と石川。ベンチには橋本拳人を置いた。
 
 シュート数はFC東京7本に対して広島は5本。広島のフリーキックの数が東京の12本に対して21本と上回るが、それ以外はおおよそ同じ数。チャンスとしては東京が主導権を握る場面も多くあった。だが、やはり、東京はペナルティエリア付近からどう攻めるかが課題となったのに対し、広島は堅固な守備からのカウンター一発を鮮やかに決めて勝利した。
 バイタルエリアまでは主に中央を中心にパスを繋ぎ攻め立てる。だが、そこからパスミスやボールを奪われるなどして相手にチャンスを与えてしまうことも多かった。得点シーンもカウンターから。ミキッチが右手から前進すると、ゴール中央へ佐藤が走り込もうとしたところに絶妙のボールを供給。東京のDFの間からサッと飛び出してきた佐藤が権田との1対1をワンタッチであっさりと決めた。

 東京もチャンスを作るが広島の固いディフェンスに阻まれる。それでもパスを繋いで崩そうとするが、サイド深く入り込んでも、そこからボール出すタイミングを計っているうちに相手に寄せられ、後方に押し戻される。あるいは、相手に奪われてチャンスを失う。また、後方でパスを回しながら攻め手を構築しようとするが、5バック、時には9バックにも見えなくもない引いたディフェンスは厄介。濡れたピッチ状態もあり、パスが正確に左右に供給されず、渡邉と大竹の2枚同時投入もカンフル剤にはならなかった。

 シュートへのチャンスまで繋がらないことも少なくなかったゆえ、場合によっては早めにセンタリングなどを挙げるなどヴァリエーションを増やした攻撃をしかけることにより、守る相手に「パスかセンタリングかどちらを選択するか」と考えさせ、対応を一瞬でも遅らせることに尽くす時間帯もあるのではないか、観戦している時はそう思っていた。たとえば、鋭いフォークボールを持っている投手も、同じ球を投げてばかりいてはパターンが読まれてしまう。速いストレートや他の球種を織り交ぜながら組み立てれば、打者も翻弄されてフォークボールも活きるというものだ。そういう意味では、パスで繋げることも大切だがアーリークロスや放り込みも時と場合によっては必要なのではないか、そう思っていた。

 だが、ポポビッチのインタビューでは「最後はボールを蹴りこんだが、それは私たちのパワープレイではない。最後まで足元で繋いでいくこと、やってきたこと、やるべきことをやることが私たちのパワープレイだ」と発言している。つまり、パスを細かく繋いで繋いでゴールを奪うことを貫徹するのが、ポポビッチが掲げるサッカーだということだ。
 だから、東京の選手たちはパスを繋いで繋いで攻撃チャンスを作り出してゴールを奪おうとしていたのだ。そのスタイルを徹頭徹尾やり切るのが自分たちのサッカー、攻撃スタイルだというのだ。

 個人的には、臨機応変にショートパスからの崩し、カウンター、アーリークロス、放り込みなどの戦術を組み合わせることで攻撃の多彩さを作り出せると思うが、今季のポポヴィッチスタイルは異なるらしい。繋いで攻め手をチャンスメイクすることを積み重ねるというのだ。

 それは、いい。ただ、それならば、そのパスの精度とプレッシャーを受ける前に瞬時の判断力を上げていくべきだ。ボールを回してポゼッションを高めるといっても、最後方でゆっくりボールを回していても意味はそれほどない。また、攻める手段を考えるあまり、出すタイミングを失い、相手からプレッシャーをかけられ、ゴールへ横または後ろを見ながら苦し紛れのパスを出したりするのも良くない。ボールを受ける前からすばやく周囲の状況を察知し、ワンタッチパスやスピードの速いパスを繰り出して、相手へ考える時間を与えないことが必要だと思う。受け手もしっかりとボールを収めて次へ繋ぐ意識と技術を磨かねばならない。

 まだまだ発展途上のFC東京。さらなる成長なくして躍進はないという課題を突きつけられた。もう一度自己のサッカーを見つめなおすいい機会として捉えていきたいところだ。


◇◇◇

<J1 第4節>
2012/03/31 味の素スタジアム

FC東京 0(0-0、0-1)1 広島

【得点】
(広):佐藤(56分)


観衆:16,229人
天候:雨、強風
気温:16.3度
 

≪MEMBER≫

GK 20 権田修一
DF 02 徳永悠平
DF 03 森重真人
DF 05 加賀健一 → FW 13 平山相太(90分)
DF 06 太田宏介
MF 04 高橋秀人
MF 27 田邉草民
MF 18 石川直宏
MF 22 羽生直剛 → MF 19 大竹洋平(65分)
MF 39 谷澤達也 → FW 11 渡邉千真(65分)
FW 49 ルーカス

GK 01 塩田仁史
DF 33 椋原健太
MF 07 米本拓司
MF 37 橋本拳人


監督 ランコ・ポポヴィッチ


◇◇◇


 相性の悪さ拭えず。

 次は、2005年から昨年までのFC東京の対広島戦のスコア。

2005年 (A)0-0△ (H)2-2△
2006年 (H)0-2× (A)2-5×
2007年 (H)2-4× (A)5-0○
2008年 対戦なし
2009年 (A)0-2× (H)0-0△
2010年 (A)1-2× (H)0-2×
2011年 対戦なし

 2008年と2011年はカテゴリーが異なるため、対戦はなかった。
 2007年のアウェイ5-0の勝利を除くと、2005年から東京は広島に勝てていない。相性が悪い相手と片付けてしまえば簡単だが、このような状況を打破することが上位進出のカギとなることも事実。広島以外にも、浦和など近年勝てていない相手はまだある。今季はそのような相手に勝ち切ることも課題の一つだろう。


◇◇◇

20120331_fct_sh01
試合開始。

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いつもよりまばらな東京ゴール裏。
強風のため交通機関に遅れが発生、味スタ到着が遅れた人がかなりいた模様。

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広島側ゴール裏。

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雨の中でも喜作の行列。

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果たして800kgは売り切れたのか。

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ソーセージ盛りゲット。

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試合終了。

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サポーターに勝利の報告をする広島の選手たち。

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バックスタンドに挨拶する東京の選手たち。

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東京ゴール裏へ向かう東京の選手たち。
 
 
◇◇◇
 
 



 鮮やか過ぎるカウンターだな。(苦笑) 
 
 
 
 

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