シュート数、FC東京の17本に対して、川崎が6本。これだけでもFC東京が圧倒していたことがわかる。特に前半はかなりの時間を川崎陣内でプレーしたが、勝負は川崎が後半立ち上がりに2点を挙げて勝利した。
正直なところ、風間親子サッカー(監督・風間八宏、選手・宏希、宏矢)は脅威と感じるものはほとんどなかった。まだ風間体制となる前の前回の等々力での対戦の時の方が、強さや迫力があった。左SBの丸山が前線へ上がって攻め込んだ後、戻りが遅れ気味なところを狙われたところはあったが、それ以外では常に東京が主導権を握っていた。
それでも勝てないのは何故か。それはやはり、決める時に決められないところと、ミスで自滅するということだ。この試合ではその2つがともに起きてしまった。
確かにシュート数は圧倒したFC東京だが(東京は9、川崎は1)、前半は特に、打てるチャンスで打てない(打たない)もどかしさがあった。石川などは、決定的な場面で足をとられたのか空振りもあった。パスで局面を打開し、ゴールへ迫るのは、いい。ただし、それ一辺倒では相手も対策を立てやすい。適宜ミドルや意外性のあるシュートを狙ってみたりするなかで、パスでの崩しが活きてくると思うのだ。
パスでの攻撃が美しいチームやポゼッション率が高いチームにACL出場権が与えられるというのなら、綺麗なパス回しに酔うのもいいだろう。だが、サッカーというのはゴールを決める、点を獲るスポーツなのだ。ゴール前のパス交換に酔いしれてシュートを打てずに終わるというのは、本来の目的を忘れているといわれても無理もない。
そして、ミス。90分間ミスなしというのは、ほとんどないに等しい。だが、してはいけないミスや同じミスを何度も繰り返すのはいかがなものか。今回も、長谷川がボールを受けた後、パスを出すか自分で持ち込むかの判断がやや遅れたところを相手のプレッシャーを受けてボールを奪われてから、失点に繋がった。その後10分もしないうちに追加点を奪われるわけだが、これはもう集中力、精神力の問題だ。前半を終えたところで、このままなら勝てそうだ、点が獲れそうだという油断、気持ちの緩みがどこかにあって、後半の試合の入りが中途半端になったところ、相手につかれたのだ。
東京は最終ラインからボランチへボールを受け渡し、そこから攻撃がスタートする。ならば、相手はボランチにプレッシャーをかけて……と思うのは当然で、そこへプレッシャーはもちろん、インターセプトも狙うのは解かっているはずだ。それなのに、軽率ともいえなくもない意識で向かっては、危険な位置でボールを失ってしまうのも無理はない。
エジミウソンが復帰し、ゴールを決めたことは明るい材料だが、この課題をクリアしていかない限り、上位はおろか、残留争いにも巻き込まれかねない。それくらいの危機感を持って、次のホーム磐田戦を戦ってもらいたい。
◇◇◇
<J1 第26節>
2012/09/22 味の素スタジアム
FC東京 1(0-0、1-2)1 川崎
【得点】
(東):エジミウソン(88分)
(川):楠神(46分)、ジェシ(54分)
観衆:34,822人
天候:曇、無風
気温:23.7度
≪MEMBER≫
GK 20 権田修一
DF 02 徳永悠平
DF 03 森重真人
DF 04 高橋秀人
DF 16 丸山祐市 → MF 27 田邉草民(68分)
MF 07 米本拓司 → MF 32 ネマニャ・ヴチチェヴィッチ(63分)
MF 08 長谷川アーリアジャスール
MF 18 石川直宏
MF 10 梶山陽平
MF 22 羽生直剛 → FW 09 エジミウソン(75分)
FW 49 ルーカス
GK 01 塩田仁史
DF 33 椋原健太
MF 37 橋本拳人
FW 11 渡邉千真(84分)
監督 ランコ・ポポヴィッチ
◇◇◇
試合開始前のキッズチアによるダンス。
ニッキー・ミナージュ「スターシップス」をBGMに使っていたのだが、フック終わりが“マザーファッカー”っていう曲をキッズたちに使っていいのか、という疑問も。(笑)
川崎は“ユルネヴァ”に対してコレオグラフィで応戦。
東京はもちろん“ユルネヴァ”。
さらに川崎は、ふろん太くんが描かれたビッグフラッグをたなびかせる。
試合開始前整列。
エジミウソンのゴールで1点差まで詰めるが…。
試合終了。
歓喜の川崎サポーター。
アウェイ寄りスタンドのサポーターへ挨拶するFC東京の選手たち。
ブーイングを浴びながら、ゴール裏への挨拶へ向かうFC東京の選手たち。
◇◇◇
≪後半戦≫
07/14 ×FC東京 0-1 鳥栖(A)
07/28 ×FC東京 0-2 新潟(H)
08/04 △FC東京 2-2 浦和(A)
08/11 △FC東京 1-1 柏 (A)
08/18 ×FC東京 0-1 大宮(H)
08/25 ○FC東京 1-0 広島(A)
09/01 ○FC東京 3-1 横浜FM(H)
09/15 △FC東京 1-1 清水(A)
09/22 ×FC東京 1-2 川崎(H)
≪今後の日程≫
09/29 FC東京×磐田(H)
10/06 FC東京×鹿島(A)
10/20 FC東京×C大阪(A)
10/27 FC東京×札幌(H)
11/07 FC東京×名古屋(A)
11/17 FC東京×神戸(H)
11/24 FC東京×G大阪(A)
12/01 FC東京×仙台(H)
残り8試合。
ホームが4試合、アウェイが4試合。
いずれも楽な試合はなし。
札幌は対戦の時には降格が決まっているかもしれないが、決まったら決まったで開き直れるし、残留の望みが残されているならば死に物狂いで来るはずで、やはり侮れない。
全勝…出来ればいいが、これまでの戦いからは厳しい。
ただし、少なくともホームでは全部勝ってもらいたい!
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