*** june typhoon tokyo ***

柏×FC東京@日立台

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 Jリーグ再開初戦は、日立台でのアウェイ戦。ゴール裏などは即時完売となっていたので、バックスタンドでの観戦となった。座席には新聞や雑誌の切れ端が入ったビニール袋が置かれてあった。どうやら選手入場の時に紙吹雪を! という企画らしいが、風のあるピッチが近いスタジアムでこれをやるとどうなるか、というのは(後の清掃も含めて)あらかじめ予想できそうなものだが、これも前半で低迷している両チームをここから盛り上げようということなんだろう。ただ、やっぱり紙吹雪がピッチに舞い込み、それを拾う係員が大活躍。スタンドは通路、座席などあらゆるところに切り紙が落ちてきて、下を見ると決して綺麗な光景ではなかった。切れ端も細かく刻んだものじゃなくて、名刺よりも大きい、雑誌の4分の1くらいの大きさだったのもあるが。まぁ、小さく刻まれた紙だと、逆に回収するという意味では大変になるのだけれども。

 試合前の柏ゴール裏では柏劇場。ナビスコ決勝トーナメント進出のチャンスを潰してくれてありがとうだとか、でも準決勝のことを考えるととか、ネタ満載で煽る。『笑っていいとも』のエンディング・トラックで締めたりもして、最後の方はグダグダだったけど、「柏バカ一代」の“ウィー、ウィー、ウィーウィーウィー!”も含め日立台劇場を楽しんだ。柏の選手紹介時のBGMがなぜか「マリオブラザーズ」。こんなオチャラケでいいのか? と逆に心配も。(笑)

 さて、肝心の試合だが、FC東京の前半は今季一(いや城福体制一といってもいいか)のムーヴィング・フットボールを展開。繋ぐだけでなく攻守の切り替えが速かったのがよかったか。羽生が入ってスペースを作るおよび走り込む動きがいっそう生まれた感じ。柏は菅沼からの攻めがよく、そこからチャンスを生んでいたが、大きく脅かすことはなく、東京のDF陣を中心にその芽を摘み取っていた。
 先制は石川。ペナルティ外中央付近へ石川からブルーノへパスすると、ブルーノは一瞬足元にピタッとおさめられなかったのが逆にいいフェイントになってゴール右前線に走り出していた石川へ浮かし球でパス、それを冷静に石川が打ち込むという流れでの先制だった。2点目は同じくペナルティ中央で浮き球を受けた平山がゴールを背にしながらそれを胸トラップで左から走り込んできたカボレへ通すと、カボレがすかさずボレー気味に叩き込み2点目。全体的に連動がスムースにいっていると、このような流れるような展開でゴールがとれるもんだ。
 
 後半は、開始早々平山が相手DFを飛ばしてゴール右からズドンとミドル。2得点するもそのリードから時間を、ゲームをどうプランニングしていくのかが課題だった東京にとって、この得点は試合を決定付けたゴールでもあった。今日の平山はポスト役、つなぎ、そして自ら積極的にゴールを狙うなど、普段常にみられるもたつき感がほとんど観られなかった。
 これに対して、柏はフランサとポポを同時投入。さすがにフランサはボールを持てるし、ポポの突破力は脅威だ。この二人が入ると、やや柏に流れが傾きかけるが、最後で今野やブルーノが、中盤で米本と梶山が早めにチャンスを潰す“攻め"の守備を献身的にしてくれたこともあり、ゴールまでは許さない。
 その後、柏の攻撃の拠点となっていた菅沼が退くと、東京も前半の運動量で疲れが見えてきていたが、だいぶ楽になったように思う。変わらずフランサとポポは脅威であったが、決定的な場面を作る前に囲んで最後の仕事をさせなかったディフェンスは評価していい。そして、ここでたがを緩めることなく、田邉、赤嶺、鈴木達也と投入して、すきあらば追加点という姿勢を崩さず、ボール・ポゼッションを高めるという質のあるプレイで時間を進めていった。田邉は最初はボールを失う場面もあったが、米本や鈴木、赤嶺との連係で好機を作っていった。

 試合終了後に大の字になった長友が象徴しているように、後半はさすがに疲れていたが、積極的にチェイスして相手の攻撃を早いうちに潰し、高い位置で奪ってチャンスを生むという、良いスパイラルでサッカーが出来たことはよかった。ただ、このようなサッカーを恒常的に(求めてきてたとはいえ)続けてきた訳ではないので、この質の高さを維持しながら戦っていけるかというところが今後の課題だろう。

 それにしても石川は絶好調。これを終盤まで続けていけるか。カボレ、平山のFW陣のゴールも(遅まきながら)好材料。特に平山は制空権にゴールへの執着心と、一変したパフォーマンスを見せていたので、波ないように精進してもらいたい。代表から帰って来た長友、今野も疲れを見せずに、しっかりとした安定感あるプレイを見せていた。徳永、石川の運動量も。
 本日のMVPを決めるのは非常に難しいが、個人的には、強いて決めるならば、中盤をしっかり支えた米本、梶本コンビか。石川、羽生、米本、梶山、このラインは非常に観ていて楽しい動きをしていたし。

 久しぶりに爽快感にあふれるゲームを観た気がした一戦だった。

◇◇◇

2009 J1 第14節

柏 0(0-2、0-1)3 FC東京

【得点】
(東): 石川(前半9分)、カボレ(前半20分)、平山(後半0分)

会場: 日立柏
観客: 10,266人


≪STARTING LINE-UP≫
GK 20 権田修一
DF 25 徳永悠平
DF 04 ブルーノクアドロス
DF 06 今野泰幸
DF 05 長友佑都
MF 28 米本拓司
MF 10 梶山陽平
MF 18 石川直宏
MF 22 羽生直剛 (→ 後半23分、田邉)
FW 09 カボレ (→ 後半26分、赤嶺)
FW 13 平山相太(→ 後半34分、鈴木)

≪SUBSTITUTION≫
GK 01 塩田仁史
DF 33 椋原健太
MF 17 金沢浄
MF 27 田邉草民
MF 40 鈴木達也
FW 24 赤嶺真吾
FW 32 近藤祐介

≪MANAGER≫
城福浩

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コメント一覧

jt_tokyo
マツケンさん、コメントありがとうございます。
2009年は長友と石川がJリーグベストイレブンに選ばれたり、FC東京の勢いを感じた年でした。ナビスコも獲って、高卒1年目の米本がニューヒーロー賞&MVPとなったり、明るい未来にワクワクした印象が強いですね。
マツケン
この年のFC東京のメンバーには長友佑都がいましたね。平山、石川もなつかしい選手です。
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