長く防戦を強いられるも、野澤大志ブランドン好セーヴ連発で価値あるスコアレスドローに。
前半終了時点の速報で、G大阪のシュート15本(枠内5本)に対し、FC東京が3本(枠内0)、ボール保持率が68%に対して32%と、ほぼG大阪のハーフコートゲームで前半を終えた。しかしながら、再三再四のGK野澤大志ブランドンのビッグセーヴで得点を許さずに後半へ迎えたこと。これが一番大きかった。
FC東京が攻撃を見せる時間はほとんど生まれなかった。G大阪のプレスに対してパスを出すタイミングや反応がワンテンポ遅く、出しどころを失うという圧に押されるというシーンは見慣れた光景だが、一転、競り合いでセカンドボールを奪い、さあ反攻という瞬間となっても、その次のフィードやトラップが大きく、ボールをキープ出来ないため、その隙にプレスバックするなどしたG大阪に再びボールを奪われてしまうということを繰り返して、リズムを作れなかったのがすべて。ディエゴ・オリヴェイラをベンチ外にして、前線は仲川を中央に、トップ下に原川を配したが、やはり仲川が孤立気味で、推進力がほとんど見られなかった。
G大阪が決め切れば早々と試合は終了くらいのムードだったが、イッサム・ジェバリ、ウェルトン、ダワン、山下、坂本らが畳み掛けてきた攻撃は、最後のシュートのところで決定力を見せられず。防戦一方ながら、GK野澤大志ブランドン、復帰した土肥と岡のCBコンビを中心にゴールを割らせず、G大阪はストレスを溜めることとなった。
内容的にはG大阪が圧倒する展開だったが、FC東京としては無失点で終えたことはポジティヴな要素のひとつ。SBの中村がタイミング悪く不用意も相手に突っ込んで早々に警告を受け、長友も同様にカードを貰うと、攻撃時はクロスの精度を欠き、攻め上がって中へポジショニングするのはいいが、ボールを奪われた際の帰陣もスピードに欠けるなど、両サイドでのパフォーマンスが奮わなかったゆえ、その前の遠藤や安斎をなかなか活かせず仕舞い。守備にしろ、攻撃にしろ、判断や球離れがワンテンポ遅いことで、全体的なスムーズさを欠く結果に繋がっていた。
それでも、小泉や高のボランチの奮闘に応えるビッグチャンスが、後半開始早々に到来。47分に右サイドからのFKで原川がゴール前へクロスを上げると、これに安斎が反応してヘディングシュート。これを野澤大志ブランドンに負けじとG大阪・GK一森が防いで、FC東京は絶好機を逸してしまった。
その後はG大阪が左サイドからウェルトン、中央からイッサム・ジェバリといった強烈なタレントにボールを預けながら襲い掛かるが、FC東京が跳ね返し続ける。FC東京が荒木と俵積田をピッチに送って流れを変え始めると、G大阪も坂本をファン・アラーノにスイッチ、さらに山下諒也を食野、ダワンをネタ・ラヴィに代えてゴールへの圧力を高める。それに対してFC東京は仲川を小柏、安斎を白井に代えると、その小柏と白井が右サイドからゴール前へ迫り、チャンスを創出。疲労も出始め、互いに攻撃を繰り出すものの最後の質が足りず、なかなかネットを揺らす瞬間は訪れない。
終盤にはネタ・ラヴィのシュートがクロスバーに弾かれ、アディショナルタイムにイッサム・ジェバリのクロスに合わせたファン・アラーノのシュートが枠外になるなど、G大阪がホームでの勝利を求めて攻勢を仕掛けたが、ゴールは生まれず。G大阪にとっては勝ち点2を失う、FC東京にとっては勝ち点1を捥ぎ取ったスコアレスドローとなった。
FC東京のサポーターにとっては、中断期間のトレーニングや対策に疑問符を浮かべざるをえないところだろうが、僅かながらもポジティヴな箇所もあった。GK・野澤大志ブランドンのパフォーマンスはもちろんのこと、荒木や俵積田が出場した後や小柏がピッチに入った後は、積極的に攻勢を仕掛ける場面もあった。仲川が孤立してしまう状況の改善は必須事項だが、チャレンジする雰囲気をもたらすことが出来たのは、停滞していた攻守に刺激を与えられたのではないか。
とはいえ、今回は前半のうちにG大阪が仕留められずにいたことに助けられただけというのも事実。反応や判断をワンテンポ早くするだけで、ズレを生むパスがなくなり、欠如している推進力が高まるなどの効果も見えてくるはず。中3日で迎える多摩川クラシコでは同じ轍を踏まず、アグレッシヴなパフォーマンスで後半への勢いをもたらしてもらいたい。
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明治安田J1リーグ 第25節
2024年8月7日(水)19:03KO
パナソニック スタジアム 吹田
入場者数: 19,298人
天候:晴 / 気温:30.2℃ / 湿度:61%
主審:今村義朗
副審:西橋 勲、武田光晴
第4の審判員:吉田哲朗
VAR:鶴岡将樹
AVAR:松井健太郎
G大阪 0(0-0 / 0-0)0 FC東京
【得点】
(G):
(東):
〈試合経過〉
05分 警告 東京 中村帆高
20分 警告 東京 長友佑都
53分 警告 東京 仲川輝人
55分 警告 G大 山下諒也
64分 交代 東京 原川 力 → 荒木遼太郎 / 遠藤渓太 → 俵積田晃太
70分 交代 G大 坂本一彩 → ファン・アラーノ
80分 交代 G大 松田 陸 → 岸本武流 / 山下諒也 → 食野亮太郎 / ダワン → ネタ・ラヴィ
80分 交代 東京 仲川輝人 → 小柏 剛 / 安斎颯馬 → 白井康介
【FC東京メンバー】
〈スターティングメンバー〉
GK 41 野澤大志ブランドン
DF 02 中村帆高
DF 32 土肥幹太
DF 30 岡 哲平
DF 05 長友佑都
MF 08 高 宇洋
MF 37 小泉 慶
MF 40 原川 力
FW 22 遠藤渓太
FW 38 安斎颯馬
FW 39 仲川輝人
〈控えメンバー〉
GK 13 波多野豪
DF 03 森重真人
DF 99 白井康介
MF 10 東 慶悟
FW 11 小柏 剛
FW 33 俵積田晃太
FW 71 荒木遼太郎
〈監督〉
ピーター・クラモフスキー
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【明治安田J1リーグ 2024シーズン FC東京試合日程】
第01節 02月24日(土)15:00△FC東京 2-2 C大阪(A・ヨドコウ)
第02節 03月02日(土)15:00△FC東京 1-1 広 島(H・味スタ)
第03節 03月09日(土)16:00✕FC東京 1-2 神 戸(H・味スタ)
第04節 03月16日(土)13:00〇FC東京 3-1 福 岡(A・ベススタ)
第05節 03月30日(土)15:00✕FC東京 0-3 川 崎(A・U等々力)
第06節 04月03日(水)19:30〇FC東京 2-1 浦 和(H・国 立)
第07節 04月07日(日)17:00〇FC東京 2-0 鹿 島(H・国 立)
第08節 04月13日(土)16:00△FC東京 2-2 東京V(A・味スタ)
第09節 04月21日(日)15:00✕FC東京 1-2 町 田(H・味スタ)
第10節 04月27日(土)14:00〇FC東京 3-1 新 潟(A・デンカS)
第11節 05月03日(金)15:00〇FC東京 2-1 京 都(H・味スタ)
第12節 05月06日(月)14:00〇FC東京 2-1 札 幌(A・札幌ド)
第13節 05月11日(土)17:00△FC東京 3-3 柏 (H・味スタ)
第14節 05月15日(水)19:00✕FC東京 1-3 名古屋(A・豊田ス)
第15節 05月19日(日)15:00△FC東京 1-1 横浜FM(H・味スタ)
第16節 05月26日(日)15:00✕FC東京 0-1 G大阪(H・味スタ)
第17節 05月31日(金)19:00〇FC東京 1-0 鳥 栖(A・駅スタ)
第18節 06月16日(日)18:00△FC東京 1-1 磐 田(H・味スタ)
第19節 06月22日(土)19:00〇FC東京 1-0 湘 南(A・レモンS)
第20節 06月26日(水)19:00〇FC東京 1-0 札 幌(H・味スタ)
第21節 06月30日(日)18:30✕FC東京 0-1 福 岡(H・味スタ)
第22節 07月06日(土)19:00✕FC東京 2-3 柏 (A・三協F柏)
第23節 07月13日(土)19:00〇FC東京 2-0 新 潟(H・国 立)
第24節 07月20日(土)18:00✕FC東京 1-2 鹿 島(A・カシマ)
第25節 08月07日(水)19:00△FC東京 0-0 G大阪(A・パナスタ)
第26節 08月11日(日)19:00 FC東京 ✕ 川 崎(H・味スタ)
第27節 08月17日(土)19:00 FC東京 ✕ 東京V(H・味スタ)
第28節 08月24日(土)19:00 FC東京 ✕ 京 都(A・サンガS)
第29節 08月31日(土)18:30 FC東京 ✕ 広 島(A・Eピース)
第30節 09月14日(土)19:00 FC東京 ✕ 名古屋(H・国 立)
第31節 09月21日(土)19:00 FC東京 ✕ 浦 和(A・埼 玉)
第32節 09月27日(金)19:00or28日(土)17:00 FC東京 ✕ 横浜FM(A・日産ス)
第33節 10月05日(土)15:00 FC東京 ✕ 鳥 栖(H・味スタ)
第34節 10月18日(金)19:00or19日(土)14:00 FC東京 ✕ 神 戸(A・ノエスタ)
第35節 11月03日(日)14:00 FC東京 ✕ 湘 南(H・味スタ)
第36節 11月09日(土)14:00 FC東京 ✕ 町 田(A・国 立)
第37節 11月30日(土)14:00 FC東京 ✕ 磐 田(A・ヤマハ)
第38節 12月08日(日)14:00 FC東京 ✕ C大阪(H・味スタ)
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