ダイナー・グッドマンズという店で天樹(東山紀之)は思い出していた。
亡くなった家族のことだ。
その店で一人の男・宗片(大地康雄)がネイルガン(釘を打ち込む道具)を手に持っている所を店長に見られ、
それを取ろうとする店長と取られまいとする宗片でもみ合いになり、
はずみで店長を傷つけてしまう。そしてその勢いのまま、
その場にいた人間を結束バンドで拘束してしまう。
宗片が自分の首にネイルガンを当てた時、天樹は自分は刑事だと名乗り、何があったんですか?と聞く。
宗片は刑事だと知って激高し、「あんたたちが真っ当に捜査してくれてたら!!」と
ネイルガンを打ち天樹は腕を負傷する。
宗片の娘・あけみが婚約者・坂木に殺されていた。
しかし宗片はあけみは婚約者ではなく別の人間に殺されたという。
そして天樹に「お前が明日のこの時間までに犯人を捕まえろ!!」と言う。
もし見つからなかったらと天樹が問うと「お前を殺して俺も死ぬ」と。
天樹は片桐係長(吉田剛太郎)に連絡を入れ、解決済みであるこの事件を調べるよう伝える。
それぞれが休日中だったが、片桐からの招集で休日返上で捜査を始める。
水田(倉科カナ)と青木(塚本高史)が所轄の警察に行って聞くが、
真中刑事(天宮良)は坂木には借金があった、調書にあることが全てだと言うだけ。
坂木の親戚から話を聞くと、確かに借金はあったがそれは母親の治療費の為だったことがわかる。
当時一人暮らしのあけみの部屋を調べる海老沢(田辺誠一)と野々村(白洲迅)。
あけみと坂木の死亡時刻は間があり、海老沢は2時間も何をしていたんだろうと疑問に思う。
調べていくと机の上には何かのリストがあった。
それを持って今度はあけみの勤め先である高級高齢者施設グレートフォレスト多摩へ行く。
理事長佐々岡(上杉祥三)から話を聞きながら、例のリストを見せる。
佐々岡はそれを見て驚く。ここの施設の入居者だった。
トラブルっぽい入居者の声が聞こえ、部屋に行き偶然にも情報を得る。
実は1年前不動産トラブルが起きていた。
入居者所有の不動産が勝手に売られたと。
戻ってきたからよかったけど、と答える入居者の息子。
そこで施設関係者があけみがその入居者の実印の場所を聞いていた所、
そして入居者リストを印刷していた所を見たと話す。
店では老夫婦の妻の方が心臓の持病で不調になっていた。
天樹が宗片に「宗片さん!ご婦人をいつまでもここに置くのは限界があると」と言うも
宗片は「だったら早く犯人を連れてこい!!」と。
水田と青木は所轄の真中刑事のことを調べ、金に汚い寄生虫のような男だとわかる。
例の入居者リストに載っていた3人の入居者は不動産トラブルがあった。
所有する土地を転売しようとしたが権利書が偽物だったため、未遂に終わっていた。
このリストを持っていたあけみが外に情報を売ったと考えられた。
不動産会社で聞くと地面師詐欺だった。
仲介業者・所有者・司法書士の全てが偽物だったのだ。
真中は不動産会社のことを調べており、地面師詐欺のことを知っていた。
夜になり、老婦人の容体が徐々に悪くなる。
捜査から組の関係者が仲介業者、そして競り負けた不動産会社アイーズ都市開発がその組のフロント企業と判明。
価格をつり上げるために関わっていたのだ。
天樹が何度も説得し、なんとか老婦人は外に出すことができた。
その際、天樹は水田からあけみが即死ではなかったことを聞く。
天樹は宗片に水を渡し、話を聞く。
宗片は死ぬつもりだったが、いつのまにか立てこもっていて自分でもわからないと。
天樹も自分のことを話す。天樹は宗片の胸のマークを資料からデータとして打ち込む際に覚えていた。
ゾウのマーク、それはあけみが幼い頃書いた絵だった。
宗片はこの店で1年前のあの日に坂木とあけみが揃って結婚したい旨を言ってきたことを話す。
だから彼がそんなことをするはずがないと。
地面師詐欺の件でアイーズ都市開発の社長・荒岩(松尾栄太郎)を事情聴取する。
荒岩は詐欺については認めたが、殺しはしていないと。
共犯ではないかと思われた真中刑事だったが、定年退職を前に
この事件の真相を調べるために動いていたことがわかる。
宗片がボロボロの作業着姿で警察内で坂木君は「犯人じゃない」と抗議に来ていたことがきっかけだった。
あと少しで約束の時間だと言う宗片が娘の形見のお守りを握りしめていた。
なにか思いついた天樹はそのお守りを見せてくださいと頼み込む。
中身を写真に撮り、仲間に送る。その中身はチェスで使う駒・ボーンだった。
ギリギリの時間で真犯人が判明する。
地面師詐欺の首謀者は理事長・佐々岡だった。そして殺人も。
佐々岡が流しているとは知らずに入居者の情報が流れていることを知ったあけみは、
警察に言った方がいいと佐々岡に言ったせいで殺されたのだ。
現場は理事長室だった。即死ではなかった彼女は
その時散らばった駒の一つ、ボーンを自分のお守りの中に入れたのだ。
そして彼女を彼女の住む部屋に運び、携帯から坂木を呼び出し、
坂木をも殺し、自殺にみせかけたのだ。
真実を知った宗片はありがとうと言って死のうとするが天樹が止める。
自分も昨日が家族の命日なんです、そして自分たちいなくなったらどうする?と娘に聞かれたと。
寂しくて死んじゃうかもと答える天樹に「私たちがいなくなってもちゃんと生きてください」と言う妻。
そして娘は「ちゃ~んと頑張ってるかずっと見張ってるから!」
天樹は宗片に言う。
きっと今も娘さんは見守ってくれています。
娘さんの為にも生きてくださいと。
天樹の亡くなった妻子の当日の様子を見てとても悲しく感じました。
自分の誕生日に家族が亡くなったなんて、何年経とうとも忘れることは出来ないでしょう。
そして笑えたのが、終わる直前、飲み屋で海老沢さんが家族写真を仲間に見せていたこと。
海老沢家のAマークと言って家族全員が手でAのポーズをしていたんです。
片桐に「Eじゃねえか!」と突っ込まれてやっと気づくとは!
面白すぎます、海老沢さん!!( *´艸`)