男・和田(加藤虎之介)の遺体が発見される。
その遺体を見て、水田(倉科カナ)が驚く。和田は10年前に衝突事故を起こしていた。
その事件とは走ってきた和田が前を見ずにいて、出合頭に女性・竹沢茜(とよた真帆)とぶつかり、
茜は転倒、一緒にいた娘・瞳の車いすから手が離れ、
車いすは坂道を下ってそのまま転倒、娘の瞳は病院で意識性障害と診断される。
水田は当時、所轄に配属されたばかりで、初めての現場で足がすくんで何もできなかった。
そしてあの事故が切っ掛けで上司の太田黒(菅原大吉)にかなり厳しく当たられていた。
司法解剖により、和田は鈍器のようなもので後頭部を殴打されていた。
殺害現場は発見現場とは違うことも判明する。被害者の爪にイ草が付着していたからだ。
天樹(東山紀之)と野々村(白洲迅)は和田がネタを持ち込んでいた編集部へ行く。
そこで和田は金に汚かったとの情報を得る。
水田と青山(塚本高史)が聞き込みに茜のいる病院へ行く。
瞳は今も入院しており、和田は先週まで見舞いに来ていたと語る茜。
天樹と野々村は和田の部屋を捜索する。
和田の部屋はピッキングで誰かが侵入した形跡があり、和田を殺害した犯人が入ったと思われた。
天樹がペン立てに入っていたペン型のUSBを見つける。
中身は和田の調べた記事のデータだった。部屋には記事ファイルが並んでいたが、
一つだけ無いファイルがあった。タイトルは「全国に潜む危険な信号機」。
この記事では和田自身が起こした衝突事故の現場の信号機のことも書かれていた。
気になった天樹は資料を調べていると、茜の夫竹沢が事件の10日前に自殺していたことを知る。
天樹は野々村と共に茜を訪ねると茜の部屋から男・池松が出てくる。
天樹は夫竹沢のこと聞く。彼女の証言では仕事のストレスによる自殺だと。
新安電業の社長になっている太田黒のところへ水田と青山が訪ねる。
和田が何度も太田黒を取材していたことが分かったからだ。
10年前の事故当時の資料を見せてほしいというも、資料は残っていないという太田黒。
太田黒はあの事件の3か月後に今の会社に転職していた。
水田は言う。思い出したことがある。事故の時、太田黒は事件直後誰かに電話していたと。
それはこの会社・新安電業の当時の社長ではなかったかと。
これに対し太田黒は令状をとってからこい、しかし的外れの時は責任をとってもらうと言う。
調べてみると当時、信号機はあの事件直後に新しいものに切り替えられ、
太田黒の口座にも新安電業の社長から多額のお金が振り込まれていた。
あの時水田は太田黒に言われて一緒に救急車に乗り込んでいて信号機には気づかなかった。
信号機に不具合があったことに気づいた太田黒が新安電業に電話をかけ、
それをネタに警察をやめてその会社に移ったと考えると、
太田黒が和田を狙う動機になる。
水田は太田黒を追求するが、殺した証拠があるのかと言われ、どうにもできない。
天樹と水田は病院を訪ねる。
茜はいなかったが、そこで看護師から和田が献身的に看護していたことを知る。
慰謝料の支払いが終わっても時間があれば来ていた和田。
その和田が、殺される前日に険しい顔でリハビリ室を出ていく姿を看護師が目撃していた。
和田について勘違いしていた。金に汚いという話は茜親子の生活費を作るためだった。
茜が付き合っていた男・池松が例の事故の際、交差点の誘導員をしていたことに気づく。
信号機の誤作動について池松が見ているのではと問いただすが、
実は池松は人通りがないからと誘導員の仕事をサボって車で煙草を吸っていた為見ていなかった。
太田黒の自宅を捜索するが、中々物証は出て来ない。
その時水田が天井を見て思いつく。太田黒は和田の所持品をお風呂の点検口?に隠していた。
水田が問いただすと和田の家から持ち出したことは認めたが、和田は殺していないと話す。
太田黒は水田に過去のことを謝る。何故か水田の目が苦手だったらしい。
「今日は燃えるゴミの日だ。早く行った方がいい」と水田らを促す。
太田黒が出したゴミの中から和田の手帳がみつかる。その手帳には瞳の看護日誌が書かれていた。
茜の夫竹沢の鑑定書を堂本(北大路欣也)に頼んでいた天樹。
堂本によると死因は脳挫傷だが、手に骨折があり、これは転落時に出来たものではなく、
転落直前に出来たものと考えられた。
それを読んであることに気づく天樹。
病院へ行くと茜は瞳を自宅に連れ帰っていた。慌てて部屋に行く。
茜は娘の呼吸器を外して、本を読んだり料理したりしていた。
天樹たちが到着した時は呼吸器をもどしていたが。
天樹は、あの衝突事故の順番が違っていたと話す。
瞳ちゃんの車椅子から手を離したのが先で、和田がぶつかったのはそのあとだったと。
発端は夫の死。茜は夫・竹沢にひどい暴力を振るわれていたのだ。が、夫は自殺だと言う茜。
和田は看護している間に瞳さんの反応があることで、意思疎通ができるようになり、
瞳から母が父を殺したことを知ったのだ。
和田が殺されたのはその事実を茜にぶつけたからだった。
池松から聞いたと話す天樹。彼女が子供のころ両親は離婚し、その後母親に虐待されていた。
自分も底辺で生きてきたから愛情の注がれた人間とそうじゃない人間との違いがわかる。
あれは仕方ない事だったのだろうと池松は話した。
池松は茜親子が通り過ぎる時に聞いてしまっていた。「お母さん、何故お父さんを殺したの?」と言う瞳の言葉を。
池松は最初は彼女を脅して金をせびろうとしたが、茜に同情するようになっていた。
茜は見逃してくれ、瞳が自分がいないと生きていけないと言った時、
瞳が「お母さん、もういい。もうやめて」と声を発し、茜は泣き崩れた。
必死に看護してきた母親が実は・・・と言う展開にビックリしました。
思いとどまったとしても2度も娘を死なそうとしたことは
どういう理由があってもしてはならないですね。
瞳がそれまで反応を示さなかったのは多分、母である茜が多少なりとも怖かったのでしょう。
太田黒が言った水田の目が苦手・・・つまり純粋で真っ直ぐな水田が怖かったのかもしれませんね。