フェルメール作品全37点のなかで、日本人にとって一番馴染みの深い作品は何でしょうか。
基準を「日本開催の展覧会の入場者数」として調べてみました。
まずは、過去13回のフェルメール作品が出品された展覧会の入場者数です。
といっても、東京以外の開催館での入場者数が把握できなかったので、東京での入場者数をもとに、ざくっと推定しています。
1位 146万人
2009年「ルーブル美術館展-17世紀ヨーロッパ絵画」
国立西洋美術館、京都市美術館
・「レースを編む女」
2位 93万人
2008年「フェルメール展-光の天才画家とデルフトの巨匠たち」
東京都美術館
・「マルタとマリアの家のキリスト」
・「ディアナとニンフたち」3回目
・「小路」
・「ワイングラスを持つ娘」
・「リュートを調弦する女」2回目
・「手紙を書く婦人と召使い」
・「ヴァージナルの前に座る若い女」
3位 69万人(推定)
1999年「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」
(東京都美術館、京都市美術館)
・「手紙を書く女」2回目
4位 61万人
1987年「西洋の美術―その空間表現の流れ」展
国立西洋美術館
・「手紙を書く女」
5位 59万人
2000年「フェルメールとその時代」展
大阪市立美術館
・「真珠の耳飾りの少女」2回目
・「天秤を持つ女」
・「地理学者」
・「リュートを調弦する女」
・「聖女プラクセデス」
6位 52万人
2004年「栄光のオランダ・フランドル美術館」
東京都美術館、神戸市立博物館
・「絵画芸術」
7位 49万人
2007年「フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」
国立新美術館
・「牛乳を注ぐ女」
8位 48万人(推定)
2005年「ドレスデン国立美術館展」
国立西洋美術館、兵庫県立美術館
・「窓辺で手紙を読む女」(2回目)
9位 44万人(推定)
1974年「ヨーロッパ絵画名作展」
国立西洋美術館、京都国立博物館
・「窓辺で手紙を読む女」
10位 42万人(推定)
2000年「レンブラント、フェルメールとその時代」展
国立西洋美術館、愛知県美術館
・「恋文」
11位 31万人(推定)
1968年「レンブラントとオランダ絵画巨匠展」
国立西洋美術館、京都市美術館
・「ディアナとニンフたち」
12位 25万人(推定)
1984年「マウリッツハイス王立美術館展」
国立西洋美術館、愛知県美術館、北海道立近代美術館
・「真珠の耳飾りの少女」
・「ディアナとニンフたち」2回目
13位 20万人(推定)
2005年「アムステルダム国立美術館展」
兵庫県立美術館
・「恋文」2回目
以上から、日本人にとって馴染みの深いフェルメール作品ベスト4は、次のとおりとなりました。
1位「リュートを調弦する女」(メトロポリタン美術館)
152万人
2位「ディアナとニンフたち」(マウリッツハイス王立美術館)
150万人
3位「レースを編む女」(ルーブル美術館展)
146万人
4位「手紙を書く女」(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)
130万人
複数回来日が上位を占めるなか、1度の来日で3位になった「レースを編む女」。
直近2009年の東京・京都2地区開催ということもあり、現時点では、実質的には1位でしょうか。
4位の「手紙を書く女」は、今年3度目の来日が予定されています。1位確実。
「真珠の耳飾りの少女」も、来年3度目の来日が予定されています。
ベスト3入りの可能性も濃厚です。