日本で働き、途中では米国ハイテク企業でも働いた、30代前後から20年間位は海外にも多く出掛けた、この間様々な角度から国や会社、そしてそれらの社会を見たり体験もした。 日本のバブルも経験し、失われた30年間の中で、どうにか生き延びられたが、当然後進国で有ったと思って居た国に伸びが見られ、日本社会は何を間違えたのかと考えさせられた時代でも有った。差が付いてしまったと気が付いてからでは、その差を挽回する事は、容易ではない。日本が疲弊して特にアジアの中でも遅れた実感を持った幹部社員は居る筈だ、日本は基本上下社会だから上の者には言いずらい事が多々有る社会だ、これも疲弊した一つの要因だろう。
日本企業が工賃が安いと進出した国は、日本的企業文化は育たなかったと言ってよい、時代が変化して海外との触れ合いが進めば、今までの給料や働き方で良いのかと疑問が生じる、すると労働争議が起こって来る、言葉が通じない国で紛争は厄介だ、日本人スタッフは数人だったりするから数で負けてしまう、近所や社会に外国人が居ない国だった日本だから、異文化には弱い、経験値で負けているし、と言って高飛車では前進はない、この様な事を幾つか経験すれば対応の仕方を覚えるが、日本企業は数年から5年位で本社に帰るから、進出先には同化できない。
この遅れた日本企業が、女性役員の登用で悩んでいる、大きな企業では主要分野での役員には簡単になれない、成果や実績が無いと、常務取締役には成れる可能性はない、部長職までだろう、成れたとしてもお飾りで普通の職域での重役登用だ。若い頃から重宝してこなかったから、経験不足だ、これがネックで重役にはなれない、反して米国企業では自動車のGMの社長に女性が居た、コンピュータ事業会社IBMでも女性社長は居た、大企業の社長に成れるチャンスは普通に有る、その企業生え抜きでなくてもなれる、大抵は他社での実績が無いとなれないが、スカウトが年中行事として有る企業が多いから成れるので有って、そんな文化がない企業では無いのが普通だ。
日本政府は2030年頃には上場企業の30%は女性役員にすると言う目標が有るらしいが、政府内でさえ女性議員が少ないのに、民間企業で重役が30%も生まれるとは思わない、現在でも13.4%で、その多くは社外取締りだ、後6年でそんな社会が来るとは誰も思わない、こんな甘い事を言っている場合ではない。 今何が出来るかだ、遅れた日本企業に変化が来るのか、その為の準備が出来ているのか、一つ一つが到達点に来ていないのに、どうやって目標に向かうのか、日本社会に経験させる文化が有れば多少は期待できるが、無いのだ、言葉の遊びでは済まされない、現実の競争で勝てないと目標達成とはならない。
半世紀前に欧米ではアジア系、アフリカ系、中近東系等人種のルツボで有った、こんな社会だから女性社長は生まれるし、女性大臣も生まれるのだ、これがない日本で、それも近未来で女性の重役や女性議員が生まれる訳がない、そんな事よりも早く経済の拡大と生産性のアップを実現させよ、これが基本だ、これが達成出来たら次のステップとして女性のポジションアップに取り組めば良い、今行うべきはmade in Japanを増やして稼ぐことだ、日本のランクを上げる事に集中する、その為の人材を育てる事だ、これなくして日本が稼げる国にはならない。
日本には創業して数百年企業が有る、零細で小企業が多いから、これらを纏めて多きな組織にする事が必要だ、小粒でも社長になりたい気持ちを捨てる、経営陣と稼ぐ集団とを分ける事だ、世界に通用する会社にすることを目標にする、アメリカにはハイテクベンチャー7社が時価総額でトヨタ自動車を何倍も引き離している会社が有る、社歴20から30年の会社がM&Aを重ねて社員数1万人越えとして世界で戦っている、そんな会社が日本でも育たないと、日本企業に応募して来る外人社員は出てこない、これが未来に向かう会社で有って、変化と創業精神が必要なのだ。