かっちゃんのお魚ブログ

ヨシノボリ類、小型ボウズハゼ類など淡水ハゼの採集・飼育・撮影。 (※スマホの方は一番下からPC版へどうぞ)

アオバラヨシノボリ その3

2011-06-24 12:33:42 | お魚
水中画像シリーズ・その16はアオバラヨシノボリです。 (←15 17→)

アオバラヨシノボリの最後の画像です。

アオバラヨシノボリは、沖縄本島北部の一部の河川にのみ生息する魚です。
他の多くのヨシノボリ類のように、海に降る事は無く一生を淡水域で過します。

沖縄本島北部にもいくつかのダムが建設され、アオバラヨシノボリの生息できる環境が失われつつあります。
そういった地域では、ダム湖への流入河川の一部で細々と生き延びているというのが現状と聞きます。

アオバラヨシノボリ、3年連続確認できず 羽地ダム追跡調査 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース:
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-175112-storytopic-5.html

沖縄タイムス | アオバラヨシノボリ 3年連続確認できず:
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-03-23_15765/

羽地ダムにおけるアオバラヨシノボリ追跡調査結果:
http://www.dc.ogb.go.jp/Kyoku/mizu/kisyahappyouh22/kizi/110322aobarakisyahappyou.pdf


アオバラヨシノボリ その3

http://photozou.jp/photo/show/278614/85926036


アオバラヨシノボリは、沖縄本島固有種であり、本島北部のみに生息する貴重な魚です。
中型卵を生み海に降らない生活史、沖縄本島の形成史と深く関わりつつ分布域を形成してきた・・・などの点において貴重な存在です。

自らも自然の一部として、自然と共に生きてきた我々の先祖の頃に戻る事は不可能です。
ただ、彼らに残されたわずかな生息環境くらい、人が「手を出さずそっとしておく」事はできないものでしょうか?

こういう話を聞くと、飼育環境で増やして放流すれば・・・と考える方も出てくるかもしれません。
淡水魚を安易に放流する事には、様々な大きな問題があります。
全てを書ききれないので、地域個体群に関わる点だけを言及したいと思います。

アオバラヨシノボリは、自力で他の水系に移動する事ができません。
それぞれの生息環境に適応し、独自の形態を形成していっている可能性があります。

現に、同じアオバラヨシノボリでも、西海岸側河川の個体群と東海岸側河川の個体群とでは見た目にもかなりの違いがあります。
人の手で撹乱され、雑種化する事は避けなければなりません。

アオバラヨシノボリを保護するという事は、生息できる環境を守るという事なのです。
それも、生簀や釣堀のようにしてしまっては意味がありません。
残された数少ない生息環境が、このまま残ってくれる事を願いたいものです。


← アオバラヨシノボリ その2
→ 水中画像シリーズ(2011/06/19)


<ブログランキング>
ポチッとな!でお願いします。

にほんブログ村 観賞魚ブログ 淡水魚へ
にほんブログ村


お時間のある方は、以下にもポチッとお願いします。

人気ブログランキングへ
人気ブログランキング


FC2 Blog Ranking


ブログ王


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
自由研究 (果穂)
2011-08-11 16:29:17
はじめまして
私は、岐阜県の小学校5年生です。夏休みの自由研究に市内(可児市)に住むヨシノボリ類を調べたいと思っています。採取した魚を分類するよい方法があれば教えていただけませんか。

murase@ma.ctk.ne.jp
返信する
Re:自由研究 (かっちゃん)
2011-08-13 11:01:41
果穂さん

はじめまして。
お返事が遅くなりましてすみません。

夏休みの自由研究・・・なんだか楽しそうですね。

魚の分類とは、この魚は○○ヨシノボリ・・・みたいに見分ける(同定)という事で良いですか?
これで良いという前提でコメントしておきますね。

ヨシノボリは、何種類かに分類されていますが、外見上の違いが解れば、典型的な固体の同定はそんなに難しくありません。

人によって顔が違うように、ヨシノボリにも個体差があって、中には特徴があいまいで、どのヨシノボリなのか迷うような魚も居ます。

まず、顔と手を尾っぽを見てください。

ほっぺに、細かい点々があるとか、青い点があるとか、ぐちゃぐちゃしたミミズ条の模様があるとかです。

手(胸びれ)にはウチワの骨(?)のように細い線があると思います。
この線が何本あるか(条数)、また胸びれの付け根に黒い点があるかとかです。
条数は最初は解りにくいかもしれませんね。

尾っぽ(尾びれ)については、点の列のような模様があるとか、縁取りが黄色とか、そんな感じです。

これらの特徴は図鑑にも書いてあると思いますので、図書館で見てみるのもテですね。
「日本の淡水魚」「日本のハゼ」あたりは僕も手元にあります。
図鑑の写真は、かなり綺麗に撮れているのですが、写真うつりが良すぎるの(別人・別魚に見えてしまう)で要注意です。(笑)
まずは、同定ポイントとなる外見上の特徴を押さえておきましょう。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/images/4582542360/ref=dp_image_text_0?ie=UTF8&n=465392&s=books

http://www.amazon.co.jp/gp/product/images/4635090213/ref=dp_image_0?ie=UTF8&n=465392&s=books

後は生息場所の環境、河口に近いところなのか、流れのある上流域なのか・・・もヒントになりますね。

ヨシノボリ類は珍しい魚ではありませんが、種によっては生息エリアが限られた魚も居ます。

このページのアオバラヨシノボリは、沖縄本島の、それも限られたエリアの川にしか居ません。

岐阜県なら、トウカイヨシノボリの生息エリアだったと思います。
この魚は大雑把に言って濃尾平野とその周辺の地域にしか生息しない魚です。

思いつくままに書いていると、どんどん長くなるので・・・(笑)
このくらいにしておきますが、具体的に聞きたい事があれば気楽にどうぞ。

それにしても、このブログにこういう質問がくるとは、ちょっと驚きでした。
ヨシノボリってのは、こんな魚だよ・・・って感じの記事を作ってみるのも面白そうですね。
時間がかかると思いますが、追って書いてみたいと思います。

なんだかきっかけをいただいような感じで嬉しく思います。

では。

返信する

コメントを投稿