雑草日記

花と猫を愛でています。

『妖怪アパートの幽雅な日常・1』

2010-09-05 17:38:07 | 読書

昨日、美容院へ持っていって読んだ本がこれ。

妖怪アパートの幽雅な日常1 (講談社文庫) [文庫]

香月 日輪(著)

カバー絵につられて買った本。上の画像にはないけど、これに幽霊絵の帯が付いてて可愛かったんですよ!

ラフな文章なのであっという間に読了。わらわら出てくる登場人物(+妖怪)がとても楽しかったです。
茜さんが最高でした。そしてるり子さんの料理がやたら旨そうで読んでて困った(お腹空くよー!)。
……が、最後まで主人公が理解出来ずに終わりました。
悩みや葛藤は分かるけど。
一人の親友に対して以外、誰にも「地」を出せないのに、「現代の人は他人と深く関わろうとしない。人間関係が希薄」とか悩まれてもなあ。

アパートの住人は魅力的なんですけど、誰も彼も主人公に優しいし。
自分ではどうにもならない出来事で凹んでいるとき、他人の優しさが身に染みることもある。でもどこからともなく助けが入りアパートでたくさん優しくされて、現実に返ったら人間関係に行き詰まり、またアパートに戻ってめでたし……って、「え?」と思ってしまいました。
親類の女の子とラストで分かり合えて、ハッピーエンドぽかったけど。でも主人公はすっかり彼女のことは忘れてたよー?彼女が主人公のことを理解して勇気を出して会いに来てくれ、話してくれたからの結果だよね。
結局主人公、自分で解決したことゼロなんじゃ…。

4分の3は楽しく読めたし考えることもあったけど、最後は都合よくまとめて、なし崩しに納得させられた感じ。つまり最後がどうにも腑に落ちなかったです。なんか残念。