認知症患者はふとした時、「不穏」になることがあります。
不穏=穏やかではない
医療用語では「患者が穏やかな状態でないこと、あるいは興奮することが予測できる状態にあること」
ようするにあちこちうろついたり(徘徊まではいかない)、何かを探したり、何かを弄ったり、ってな状態です。
ご多分に漏れず、父もそういうことが多々あります。
日中は比較的マシなのですが、夜・・・・それも3時以降、酷くなることが。
とにかく全ての部屋をチェックしながら、色んな扉を開けたり、出たり入ったりを繰り返すのです。
あちらこちらにスリッパが散乱していたり。
それでも最近は「薬」のおかげか、症状も穏やかになってきていました。
否、なってきていたと思い込んでいました。
ちなみに薬は「よく眠れる薬」のはずです。
メマリーOD錠20mg
セロクエル錠25mg
マグミット錠250mg(これは関係無いかな)
不穏時の頓服として「セロクエル錠」
不眠時の頓服として「ルネスタ錠1mg」
精神科の薬についてはよく解りませんが、メマリーとセロクエルが脳に作用するものだと認識しております。
今朝方のことですが、5時前・・・・私は当然爆睡中。
主人もよく眠っていました。
私は唐突に足への違和感を感じ、飛び起きました。
足先をそっと掴まれた感覚があったからです。
「何!?」
ゾッとして目を覚ませば、見慣れた人影が足元にありました。
何の物音も、ノックも無しに父がそこに居たのです。
もちろん主人も目を覚まし、様子を窺います。
「何しにおるんよ!?」
とパニックになりながら怒鳴れば、無言で部屋を立ち去る父。
足音も立てない状態で、そのまま階段を下りていきました。
最悪の寝起きです。
不快でしかない。
自宅でこんな気分になるだなんて、本当に不愉快です。
後から父の部屋に行けば、ベッドに横たわり、再び寝ようとする姿が。
「一体何やのん?」
怒り心頭で尋ねると、目を瞑りながら・・・・
「いや・・・・・’彼女’が居るかどうか確かめに行ったんや・・・」
と訳の解らない説明をする父。
あまつさえ、
「そんな怒らんでも・・・・・親子やんか。」
と、さも当然のように言われ、ブチキレました。
「親子でも勝手に部屋に入ってこんといてよ!気分悪い!」
「何でや?親子やったら・・・・仲ええやろ?」
「はあ???」(怒MAX)
たとえ怒ったとて、どうせすぐに忘れてしまいます。
私は不毛な会話をさっさと切り上げ、寝室を後にすると、無性に悔しさがこみ上げてきました。
どういう理由があって、私がここまで我慢しなくちゃいけないのか。
たとえ相手が病人であれ、不快な思いに変わりはないのに。
こうやって文章にすると、あまりおぞましさを感じないかもしれません。
ですが今回の事態は、本当に本当に気味が悪かったんです。
夢うつつな父の行動に責任はありませんし、実際こんなものは序の口だと思います。
だからといって救いにはならないんですけどね。
一気に痛む私の胃。
今日から一泊二日のショートステイが無かったら・・・・
そう思うと、「ステイ」を勧めてくれたケアマネさんに心から感謝したい気分になりました。