会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

借入金返済、来年1月末に延期=日産不振、銀行団と合意―マレリホールディングス(時事より)

借入金返済、来年1月末に延期=日産不振、銀行団と合意―マレリホールディングス

経営再建中のマレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)が、銀行団と合意して借入金の返済を延期するという記事。

「2022年に破綻し、経営再建中の自動車部品大手マレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)が、30日に開始予定だった総額7000億円規模の借入金の返済を、来年1月末に延期することが27日、分かった。主力取引先である日産自動車の業績不振などを受け、収益の回復が遅れているためとみられ、既に銀行団と合意した。」

「日産とホンダの統合は26年8月を予定。両社はサプライチェーン(供給網)の最適化も表明している。マレリの業績が思うように回復しなければ、経営が再び行き詰まる恐れもある。マレリは保有資産や事業の売却を視野に、年明け以降も銀行団と協議を続ける。」

他の報道では、180億円という数字も出ていますが、総額7000億円の一部ということでしょうか。

自動車部品大手 マレリHD 銀行団が返済猶予で合意 販売低迷で(NHK)

「マレリは日産自動車の子会社のカルソニックカンセイなどを前身とする自動車部品メーカーの大手で、2022年に民事再生法の適用を申請して再建計画の認可を受け、事業を続けながら経営再建を目指してきました。

しかし、関係者によりますと主要な取り引き先日産自動車や海外メーカーのステランティスの業績悪化で部品の販売が低迷しているということです。

このためマレリの銀行団は、融資のうち期限が迫っていた180億円の返済について、一時的に猶予することで合意したということです。」

マレリ、改革先送りの代償 事業売却避けられず
返済猶予1カ月 新規融資1000億円も要請
(日経)(記事冒頭のみ)

「経営再建中の自動車部品大手マレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)に対し、銀行団が180億円の返済猶予を認めた。自動車販売の減少を受けた資金繰り難が直接的な要因だが、痛みを伴う改革を先送りした代償ともいえる。

マレリは銀行団に1000億円規模の新規借り入れも求める。」

やや古い記事ですが、マレリの銀行団はカオスなのだそうです。

みずほグループの「マレリ再建支援」に変化?系列リースが債権売却でささやかれる懸念(2024年9月)(ダイヤモンドオンライン)(要無料登録)

「自動車部品大手の「マレリグループ」といえば、株主である米大手投資ファンドのKKRとメインバンクのみずほ銀行が強力なタッグを組んで経営再建を支援しているというのが一般的な認識だ。ところが、業績が思うように回復しないなか、最近ではみずほグループの支援態勢について懐疑的な見方を示す向きもある。というのも、系列の「みずほリース」が貸出債権を不良債権買い取り会社に売却して撤退したからだ。」

「ところが、ドイツ銀行系の不良債権買い取り会社(以下、ドイチェ)がマレリHDの再生手続き終結以降、準主力行以下から債権買い取りを進めてきた結果、額面上の融資残高はドイチェがダントツになっている。「すでにみずほが銀行団をコントロールできる状態ではなくなった」(金融筋)というわけだ。

しかもドイチェは、自社ですべてのリスクを取っているわけではなく、裏でヘッジファンドなどに貸出債権の経済的価値とリスクをどんどん外部化しているという。「ローン・パーティシペーション(ロンパ)」といわれる債権流動化の手法を使っているとみられる。表に出てこない実質的な債権者がいるわけだ。ということは、もちろんドイチェがみずほに代わってマレリの再建を主導する覚悟はないだろう。

つまり、もはやマレリの銀行団はみずほといえども容易にまとめきれない、いわばカオス状態になっている。そのため、みずほリースも債権売却についてみずほ銀行に気兼ねする必要がなく、単純に実利を求めたと解釈できる。」

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