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ビッグモーターの次は「最大手の上場企業」…不正が相次ぐ中古車業界で行われていた「錬金術」の中身(PRESIDENT Onlineより)

ビッグモーターの次は「最大手の上場企業」…不正が相次ぐ中古車業界で行われていた「錬金術」の中身 

ビッグモーターの次は、ネクステージ(東証プライム)だという記事。

ネクステージについて。

「ネクステージは1998年に中古車販売として創業し、東証プライム市場と名証プレミアに上場している。...

ここ10年で10倍以上の急成長を遂げ、直近の2024年11月期の売上高は5527億円と過去最高を記録した。「ガリバー」を運営するIDOMや、ビッグモーターの最盛期の売上高5200億円(2022年9月期)を大きく超えて、日本最大の中古車販売業者に位置付けられている。」

すでに明らかになっている不正としては...

「2018年には、売上金を着服したとして40代の男性従業員が解雇されている。この時の不正な契約は約30件で合計1億6000万円に上った。

会社に無断で買い取った車を業者に転売したケースもあったが、実はこれは中古車業界では定番の不正行為である。ごく最近も、メーカー100%出資の大規模ディーラー(東京都)で同様の事案が発覚し、国税庁の調査が入った。

ネクステージの名前が車好き以外にも一気に拡散されたのは、2023年11月にYouTuberのKENZO【新宿109】が公開した突撃動画(再生回数670万回超)である。

当時のネクステージ従業員Kがオイル交換と無料査定に訪れた客の車を預かった際、車内にあった財布からクレジットカードの情報を取得。そのカードを使ってメルカリで約12万円の買い物をしたというものだ。

被害者はカードの明細が届いて不審に思い、カード会社に問い合わせたところ当該従業員の名前や電話番号などを入手できた。すぐに警察に相談したが数カ月待っても警察が対応せず、KENZOに突撃を依頼したという経緯だ。」

あらたな不正事案が浮上しているそうです。

「今年2月28日。ネクステージ社員によると、広田会長兼社長はA氏(記者に通報した情報提供者)の予告通り、お昼頃からオンライン上で管理職以上の社員に向けて「横領についての話」を行い、「関与した者は名乗り出てほしい」と呼び掛けた。」

記者が把握した不正事例(今も続いている?)。

「ネクステージは中古車だけでなく新車も扱っており、多様なメーカーと取引している。代理店とのやり取りの中で、勝手に新車の一部を転売していた。

転売の売上金は、元社員を含む関与社員が新車受け入れのために作った会社に入金。関係者は「元手はゼロであり、1社あたり年間数千万円の大儲けとなる」と説明した。」

「顧客に無料でプレゼントする1個数万円のカー用品をネットオークションで転売していた者もいたという。また、顧客から買い取った車に付いている高額なパーツや高級ホイール、タイヤなどを買取後にこっそり外してヤフーオークションやメルカリで売却していた。金目のパーツを勝手に転売するという手口は、中古車業界ではよく聞く話だ。」

「中古車店と業者オークションは密接な関係があるが、中にはオークションでの不正な価格操作が行われる実態もある。ネクステージの場合も同様で、業者からのキックバックや相場の操作などが行われていた。期間限定で月数百万円の不正な利益を得ていたという情報もある。」

「今回取材した関係者が、こうした横領行為を見聞きしたのは7~8年前のこと。一部の社員はもっと前から手を染めていた可能性もある。

中心人物とされるある幹部社員は、7年ほど前から年収に見合わないロレックスなどの高級腕時計を「不正によって手に入れた」など周囲の人々に自慢していた。

また、別の社員は新車の軽自動車を「原価ゼロ」で買ったことを自慢していたという。「犯罪」という意識がないままに横領を繰り返していた可能性が否定できない。」

「ほかにも、大小さまざまな横領の手口があるそうだが、共通しているのは「仕入れを担当する幹部社員」が関わっていることだ。

一般客からの買い取りや業者オークションに関わる者、あるいは代理店からの新車を担当する者など、「仕入れ」を仕切る立場の関与がなければ不可能な話である。そして、横領で得た「売上」は元社員が中心となって作った複数の別会社の口座に入金されている。」

自動車販売のプロが関与しているとすれば、どういうクルマがよく売れているのか、高い値段で売れるのかをよく知っているでしょうから、そういう商品を仕入れの段階から簿外にしてしまえば、利益を抜き放題なのでしょう。また、中古車の場合は、定価はないわけですから、仕入れ価格の操作もしやすいのでしょう。新車仕入れの場合も、メーカーとの直接取引でなければ、交渉次第なのかもしれません。

税務的には、従業員が勝手に転売したクルマの利益であっても、会社の利益とみなされることがあるでしょう。

記者からの質問状に対しては...

「今回、これらの横領行為についてネクステージに3月6日付で質問状を送ったところ、翌7日に広報室から電話での口頭で編集部に対して回答があった。

2月28日の広田氏によるオンライン通達は、「不適切な事案」に関して「情報提供」を求める内容だったとし、関与した若干名の社員が自宅待機の処分を受けたという。

しかし、取材で判明した横領行為については「現時点では一切把握しておらず、事実と異なる」という回答だった。

今後の情報公開に関する質問には「現状、ステークホルダーの方々に対して何かするという状況ではない」としたうえで、同社が把握している「不適切な事案」については「全容を調査中で、調査を進めていく中で結果や規模感を総合的に加味し、検討していく」と話した。」

記事で言っているように、「全容を調査中」というのはちょっとこわい...。「規模感」がはっきりしないというのは、かなりの規模になるかもしれないということか...。

こういう不正は、ネクステージだけの問題ではないとのことです。

「ビッグモーターやネクステージに限らず、この業界を取材すると驚くような不正が次々と出てくる。メーカー系の新車ディーラーでも、いまだに下取り車の転売などの確実な不正情報が入ってきている。」

この記事を読む限りでは、ネクステージにおいて、具体的に大きな不正が進行中かどうかは不明ですが、不正リスクの高い業態ではあるのでしょう。

会計監査人(トーマツのようです)も、よくある不正パターンへの対応を考えていることでしょう。ただし、直近の有報によると、KAMとしては取り上げていないようです。

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