会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

GAFA対G20 デジタル課税への挑戦(日経より)

GAFA対G20 デジタル課税への挑戦(記事冒頭のみ)

20カ国・地域(G20)首脳・閣僚会議が、デジタルプラットフォーマーへの課税の国際協調に取り組んでいるという記事。日本は6月のG20財務相会議(福岡で開催)で、議長国として各国の合意をまとめる役割を期待されているそうです。

記事では、1月下旬にOECDが公表した論点整理を紹介しています。

「「経済のデジタル化に伴う課税上の課題への対応」。1月29日、経済協力開発機構(OECD)はデジタル課税の論点整理(ポリシーノート)をまとめた。」

「OECDの見直しは、IT企業などPEを置かない国でも課税ができるようにし、企業が世界で稼ぐ利益を各国が課税所得としてどう配分するかのルールを定めようとするものだ。」

G20とOECDでは、2つの案が検討されているそうです。第1は英国案で、国別の消費者のサービス利用度に応じて利益を配分するもの、第2は米国案で、無形資産に応じて各国別の利益を配分するものです。(日経記事では無形資産の例として「のれん」も含めていますが、それはおかしいのでは)

そのほか、法人税全体の見直しとして、租税回避のために海外に移した利益に対する法人税負担の最低水準を合意することも検討しているそうです。

OECDのプレスリリース。

国際社会はデジタル化がもたらす課税問題の解決に向けて大きく前進している(OECD)

「1月23~24日には、包括的枠組み回答が開催され、枠組み参加諸国95カ国・地域と12のオブザーバー機関から264名の代表者が参集しました。新たに始まる対話では、この会合の後に発表されるPolicy Noteで明らかにされた2本の中心的な柱に焦点を当てています。

その一本目の柱は、移転価格のルールや独立起業原則など、多国籍企業の所得への課税権を各国間で分割するという既存のルールを、デジタル化が世界経済にもたらしている変化を考慮してどのように変えるかということである。そのためには、いわゆるnexusルール-企業がある国と持つつながりをどのように決めるか-と、そこで行われた事業にどの程度の利益が割り当てられるべきかを決めるルールを再検討する必要があります。

包括的枠組みでは、マーケティング上の無形資産、利用者の寄与、永財的に重要な所在地という概念に基づく提案を行い、デジタル化という税制問題に取り組むための国際課税制度の近代化にそれらをどのように活用するかを考察しています。二本目の柱は、残りのBEPS問題を解決することを目指しており、所得非課税または税率が非常に低い国々に改善策を与えるための連結したルールを2種類研究しています。」

引用部分(後半)の原文。(訳文がちょっとおかしいので、こちらでご確認ください。)

The first pillar will focus on how the existing rules that divide up the right to tax the income of multinational enterprises among jurisdictions, including traditional transfer-pricing rules and the arm’s length principle, could be modified to take into account the changes that digitalisation has brought to the world economy. This will require a re-examination of the so-called ‘nexus’ rules – namely how to determine the connection a business has with a given jurisdiction – and the rules that govern how much profit should be allocated to the business conducted there.

The Inclusive Framework will look at proposals based on the concepts of marketing intangibles, user contribution and significant economic presence and how they can be used to modernise the international tax system to address the tax challenges of digitalisation. A second pillar aims to resolve remaining BEPS issues and will explore two sets of interlocking rules designed to give jurisdictions a remedy in cases where income is subject to no or only very low taxation.

同ポリシーノート(全4ページ)。

Addressing the Tax Challenges of the Digitalisation of the Economy – Policy Note(PDFファイル)
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