会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

当社子会社における不適切企業融資に関する再発防止策...について(飯田グループホールディングス)

当社子会社における不適切企業融資に関する再発防止策及び、当社グループ全体のガバナンス強化策について(PDFファイル)

融資に関連する損失飛ばし疑惑が報じられた飯田グループホールディングス(東証プライム)のプレスリリース。

不適切融資に関して社内調査委員会と社外調査委員会を設けて調べていましたが、社外調査委員会からの報告を受けて、再発防止策を決議したとのことです。

「当社は、2022 年1月 24 日付「当社に関する一部報道について」において公表いたしました当社連結子会社(孫会社)である株式会社ファミリーライフサービス(以下「FLS 社」という。)における当社元役員による不適切な企業融資(以下「本件」という。)の判明を受け、社内調査委員会及び当社グループ会社と利害関係を有しない弁護士によって構成する社外調査委員会を設置し、事実関係の調査及び背景・原因分析を実施して参りました。

社外調査委員会からの報告内容を真摯に受け止め、再発防止策について検討して参りましたが、本日開催の取締役会において、再発防止策を決議いたしましたのでお知らせいたします。」

どういう事案だったのかについては、「本件の概要」で3行しか書かれておらず、金額や経緯等の詳細は開示されていません。

「1.本件の概要

FLS 社の役員在任中の当社元役員により、債権回収の可能性に疑義のある法人に対して十分な担保を取らずに融資が行われたものです。

なお FLS 社では、顧問弁護士に相談の上、適切な対応を行うための手続きを進めております。」

「当社元役員」ですから、飯田グループホールディングスの元役員が、飯田グループホールディングスの役員に在任中に起こした事件なのでしょう。役員が関与した不祥事ということですから、金額や決算への影響にかかわらず、3行で済ませていいような事件とはいえないでしょう。

不祥事の調査報告書をそのまま公表しなければならないというルールはありませんが、これはあまりに説明不足なのでは。

「本件の背景」によると、「経営主導の不正リスク」とあるので、経営者による不正であることは認めているようです。

「2.本件の背景

社外調査委員会から、急なグループ会社の増加により、当社による子会社等への管理機能(監視機能)が行き届かなかったことに加え、経営主導の不正リスクに対する牽制機能が不十分であったことが、本件の背景であると報告を受けております。」

報道によれば、融資先の会社が破綻したのは2020年7月のようですから、重要性によっては過年度の決算訂正にもつながる可能性がありますが、このプレスリリースによれば「本件による 2022 年3月期の当社連結業績に与える影響は軽微であります」とのことで、過年度訂正はやらないようです。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事