日本カーバイド工業が、子会社のダイヤモンドエンジニアリングの不正決算について、調査委員会から報告書を受け取ったという記事。
「同子会社で費用繰り延べや売上高の前倒し計上などが行われ、同子会社単体の損益影響額は2011年1月期から16年2~7月期までの累計で約11億円だった。カーバイドの連結決算への影響額は算定中。」
第2四半期決算(2016年4~9月)の発表は1ヶ月遅れとなるそうです。
報告書はこちら。調査にはKPMGが関与しているようです。会計監査人はトーマツ。
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特別調査委員会による調査報告書の受領等に関するお知らせ(PDFファイル)
「調査結果の要約」より。
「ダイヤモンド社では、従前から案件ごとの目標粗利率達成の不均衡をなくすための原価付替が行われていたが、これらは単純に案件ごとの利益を平準化することが目的であり、原価を繰り延べ若しくは先取りすることを目的としたものではなかった。
しかし、甲案件の外注先の債務不履行(以下「トラブル」という。)により発生した損失については、従来のように同年度に完成する案件のみでの原価付替では損失負担処理ができず、年度を越えた多額の原価付替が行われるに至った。その後、他の大型工事への原価付替による上記の解消を試みるものの、当該付替先案件にも別の問題が発生する等して、上記損失付替を解消できるだけの十分な粗利が確保できず、その結果、原価が案件間で玉突き的に繰延べられる措置が採られることとなった。」
決算に影響しない不正だからといって、放置するのは危険なようです。
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