ブラジルの鉄鋼大手・ウジミナスの経営権をめぐって、共同出資者である新日鉄住金とアルゼンチンの鉄鋼大手・テルニウムが対立しているという記事。
不正な役員報酬があったとして、役員が解任されたことが発端だそうです(新日鉄住金側は解任賛成、テルニウム側は反対)。
「今回の件に関しては、新日鉄住金とテルニウムの見解の相違が大きい。現在に至るまで、新日鉄住金は「不正な役員報酬は内部と外部の監査で確認されている。コンプライアンス上の違反があったのだから、解任決議は法令・定款・協定に基づいた適法かつ有効なもの」と説明する。
一方、テルニウム側は「役員報酬は認可されている事項だ」と反発。解任直後に3役員の解任決議の無効を求めて、現地の裁判所に仮処分申請を訴えた(のちに棄却)。」
会計事務所も登場します。
「人事をめぐる対立は、さらにエスカレートしていく。新日鉄住金によれば2014年5月、テルニウムによれば同年4月の社内監査で、前述の報酬問題が表面化。そこで同年7月から9月にかけて、アーンスト&ヤングとデロイトの2社によって社外監査が行われた。」
「この監査の内容についても、新日鉄住金が「不正なボーナスの受領が確認された」とするのに対し、テルニウムは「内部監査で不適切とされた支払いの不当性について、当該役員による詐欺、不誠実行為また故意の不正行為の存在性についても確証が得られていない」と評価が真っ向から対立する。」
昨年9月の解任決議以降、テルニウム側は普通株式を買い増しし新日鉄住金を上回る筆頭株主になったそうです。
ブラジルのウジミナスが新会長選出-臨時株主総会(ブルームバーグ)
「(新議長に選ばれた)パリゾット氏(61)は株主総会後の電話インタビューで、新日本住金とテチントの「コンセンサスが得られるよう取り組む。われわれの目標はコンセンサス形成と一定の融和確立だ」と述べた。」
伯ウジミナス経営審議会、新メンバー決まる(鉄鋼新聞)
「ウジミナスの経営審議会は10人で構成されており、今回の臨時総会では非改選のホセ・オスカー氏とマルセロ・ガスパリーノ氏の2人を除く8人について投票を行った。
このうち7人は株主間協定を結ぶ新日鉄住金など日本グループとテルニウム・グループ、ウジミナス従業員年金基金から選ばれ、予定通り新日鉄住金の橋本英二常務執行役員、日本ウジミナスの和田文彦社長、テルニウムのダニエル・ノベグリ社長などが選出された。
協定外の少数株主から選ばれる議員は3人だが、今回は2人が非改選のため、残る1人がどう選ばれるかが最大の焦点となった。アルビーノ氏とBTGが推すマルコ・アントニオ・ボログナ氏の2人が少数株主内で支持を競い合いアルビーノ氏が制した形になった。」
合弁企業ということもあるのでしょうが、ブラジル企業のガバナンスもかなりややこしいようです。
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