金融庁は、「『責任ある機関投資家』の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~」の改訂案を、2017年3月28日に公表しました。
以下、新しい規定より抜粋。
「アセットオーナーは、実効的なスチュワードシップ活動が行われるよう、運用機関の選定や運用委託契約の締結に際して、議決権行使を含め、スチュワードシップ活動に関して求める事項や原則を明示すべきである。」(1-4より)
「アセットオーナーは、運用機関のスチュワードシップ活動が自らの方針と整合的なものとなっているかについて、運用機関の自己評価なども活用しながら、実効的に運用機関に対するモニタリングを行うべきである。」(1-5より)
「運用機関は、議決権行使や対話に重要な影響を及ぼす利益相反が生じうる局面を具体的に特定し、それぞれの利益相反を回避し、その影響を実効的に排除するなど、顧客・受益者の利益を確保するための措置について具体的な方針を策定し、これを公表すべきである。」(2-2の追加部分より)
「運用機関は、顧客・受益者の利益の確保や利益相反防止のため、例えば、独立した取締役会や、議決権行使の意思決定や監督のための第三者委員会などのガバナンス体制を整備すべきである。」(2-3より)
「機関投資家は、議決権の行使結果を、個別の投資先企業及び議案ごとに公表すべきである。それぞれの機関投資家の置かれた状況により、個別の投資先企業及び議案ごとに議決権の行使結果を公表することが必ずしも適切でないと考えられる場合には、その理由を積極的に説明すべきである。
議決権の行使結果を公表する際、機関投資家が議決権行使の賛否の理由について対外的に明確に説明することも、可視性を高めることに資すると考えられる。」(5-3改訂部分より)
「特に、機関投資家の経営陣はスチュワードシップ責任を実効的に果たすための適切な能力・経験を備えているべきであり、系列の金融グループ内部の論理などに基づいて構成されるべきではない。」(7-2改訂部分より)
「特に、運用機関は、持続的な自らのガバナンス体制・利益相反管理や、自らのスチュワードシップ活動等の改善に向けて、本コードの各原則(指針を含む)の実施状況を定期的に自己評価し、結果を公表すべきである。」(7-4より)
(機関投資家は、「資産運用者としての機関投資家」(投資運用会社など)と、「資産保有者としての機関投資家」(年金基金や保険会社など)に区別され、前者は「運用機関」、後者は「アセットオーナー」と呼ばれています。)
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日本版スチュワードシップ・コードの改訂案公表(新日本監査法人)
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