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改正「中小企業の会計に関する指針」の公表について(企業会計基準委員会ほか)

改正「中小企業の会計に関する指針」の公表について

日本公認会計士協会など4団体が主体となって設置された「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」は、改正「中小企業の会計に関する指針」を、2023年5月17日付で公表しました。

(昨年12月に公開草案を公表していますが、有効なコメントはなかったそうです。もしかしたら、関心が低いということでしょうか。)

改正内容は...

「「個別注記表」の第85項に収益の計上基準の注記に含める具体的な事項を追加するとともに、「個別注記表の例示」及び「別紙 収益の計上基準の注記例」において「収益の計上基準」の記載例を追加しています。」(プレスリリースより)

追加された85項は...

「85.収益の計上基準の注記

重要な会計方針の「収益及び費用の計上基準」に以下の事項を含めて注記する。

・ 当該会社の主要な事業における製品やサービス等の内容、それらに関する収益の計上時点

参考となる注記の例を、「個別注記表の例示」及び「別紙 収益の計上基準の注記例」に記載している。」

具体的には、こういう注記となります(「個別注記表の例示」より)。

「別紙」では、事業別などに、9つの例を示しています。

改正の理由は...

「収益に関して、上場企業等においては企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(以下「収益認識会計基準」という。)が適用される一方、上場企業等以外においては、引き続き企業会計原則に基づく実現主義によることができます。

この結果、上場企業等以外には代替的な会計基準が存在することになったため、会社計算規則上、採用している「収益の計上基準」を記載することが必要であると解釈できます(企業会計原則注解1-2、会社計算規則第3条、第101条第1項第4号)。

そのため、今般の改正では、中小企業が上記の注記を行う際の便宜を考慮して、「重要な会計方針」の注記の「収益の計上基準」の定めを改正することといたしました。」(プレスリリースより)

また、プレスリリースによると、「収益認識会計基準の考え方を中小会計指針に取り入れるかどうかは、収益認識会計基準が上場企業等に適用された後に、その適用状況及び中小企業における収益認識の実態も踏まえ、検討することを考えております」ということで、結論先送りのようです。(割賦基準などもそのまま残っています。工事契約に関する会計基準も、適用が終了するという注はついているものの、その規定が参照されています。)

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