「リベレステ」(東証スタンダード)の元社長が、特別背任容疑で立件されるという記事。元社長は、融資の際に不動産を高値で買わせる「抱き合わせ融資」で逮捕、起訴されていました(起訴は会社も)。
特別背任も、「抱き合わせ融資」の後始末だったようです。
「捜査関係者によると、××被告は、令和3年5~10月、東京都内の電気工事会社など3社から本来リベレステに支払われるはずだった抱き合わせ融資による返済金など計約2450万円を、知人男性が経営する会社に受け取らせ、リベレステに損害を与えた疑いが持たれている。
リベレステは山林開発事業で損失が出るのを隠すため、知人男性の会社に利益の上乗せを約束し、高値で買い取らせていたという。約2450万円は損失の補塡に充てられたとみられる。警視庁は××被告の黒字決算へのこだわりが事件の背景にあるとみている。」
不動産会社「リベレステ」前社長を書類送検へ 特別背任容疑(毎日)
「××被告は決算書を黒字計上するため、リベ社が所有する山林をいったん知人の会社に1億5000万円で売却。その際、知人に「10%上乗せして転売できるようにする」と約束したが、実際は9700万円でしか転売できず、差額の一部を補塡(ほてん)するために取引先3社からの入金先をリベ社の口座から知人の会社口座に付け替えるなどしていたとみられる。」
日経記事では、約6800万円という金額になっていました。
リベレステ前社長 特別背任容疑でも立件へ
別会社の損失補填 警視庁(日経)
リベレステからは、この件の調査報告書が公表されています。
調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ(2023年7月24日)(PDFファイル)
「本件事案等による財務諸表等への影響」という項目もありますが、こういうふうに財務諸表を修正すべきという内容ではなく、該当する不動産取引の利益を集計しているだけです。
(報告書14ページ)
返還請求されるとしたら、リベレステで計上した利益分ではなく、相場に上乗せされた金額でしょう。あるいは、融資を受けた側にとっては、山林自体、不要な資産でしょうから、取引自体をなかったことにしてくれという要求もあり得るでしょう。
取引の全体は...
(報告書9ページ)