1~3月期、5兆円の最終赤字
米投資会社バークシャー・ハザウェイの四半期決算(2020年1月~3月)が、497億ドル(約5兆円)の赤字になり、航空会社の株式も売却したという記事。
2日に開催された年次株主総会で明らかにされたそうです。
「バークシャーは米中西部ネブラスカ州オマハに本社を置く。年次株主総会はバフェット氏に直接、質問できる機会とあって、毎年4万人の株主が米国のみならず、世界各地から集まっていた。盛り上がりぶりから「資本家のためのウッドストック」といわれる。2020年は例年と同じアリーナ会場を「無観客」にした上で、会長のバフェット氏と副会長のグレッグ・アベル氏が出席。質疑をオンラインで中継する異例の形となった。」
決算日から4ヶ月超あとの総会開催であり、しかも(今年だけなのでしょうが)オンラインでの開催ということなので、制度が日本とだいぶ違うようです。
四半期決算数値については...
「総会当日に発表したバークシャーの20年1~3月期決算はコロナの影響が大きく表れた。アップルなど保有する上場株(総額1807億ドル)の評価損が膨らみ、最終損益は497億ドル(約5兆円)の赤字と、過去最大の損失となった。」
「株主総会ではデルタ航空など保有していた米大手エアライン4社の株式をすべて売却したと明かした。エアライン株はバフェット氏の「お気に入り銘柄」として知られていただけに驚きが広がり、株主からの質問も集中した。
このほど売却したのはデルタのほか、アメリカン航空、ユナイテッド航空、サウスウエスト航空の4社。バフェット氏は2月にデルタ株をいったん買い増したことについて「間違いだった」と認めた。「外出制限が人々の行動に与える影響は分からない。3~4年後に、昨年までのように飛行機に乗るようになるのか見通せない」と悲観的な見方を示した。」
2019年12月期の決算は...
バフェット氏投資会社、手元資金14兆円に 19年末時点(2020年2月)(日経)
「著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイは22日発表した2019年12月期決算で、手元資金が1280億ドル(約14兆2千億円)になったと明らかにした。前の期末比14%増となり、期末ベースで過去最高に膨らんだ。新たな大型買収案件がなく、資金が積み上がった。」
「バークシャーの19年12月期の純利益は前の期比で約20倍の814億ドルとなった。米国では17年12月以降に始まる会計年度から、企業が保有する上場株の評価損益を純利益に反映させる会計基準が適用された。アップルなど多額の上場株を保有するバークシャーは株式相場の動向で損益が振れやすくなる。18年は10~12月期の株安で評価損が一気に膨らみ、年間の利益が押し下げられた。逆に19年12月期は米株高の追い風を受けた。」
日本基準でも、子会社や関連会社でない上場会社の株式は時価評価です(評価差額が損益かその他包括利益かという違いはあります)。
バークシャー、米航空株全て売却 バフェット氏「世界は変わった」(ロイター)
「バークシャーの年次報告書や当局への届け出によると、同社は2019年末時点でデルタ航空(DAL.N)の株式11%、アメリカン航空(AAL.O)株10%、サウスウエスト航空(LUV.N)株10%、ユナイテッド航空(UAL.O)株9%を、それぞれ保有していた。」
「バフェット氏は、ライブ配信された株主総会で、航空業界の見通しは急変したとし、「大幅な損失を出しても売却することを決めた」と説明。「将来的に資金を食いつぶすと予想される企業に資金は出さない」と述べた。
4社の株式取得にこれまでに70億─80億ドルを投じたと明らかにし、「間違いだった」と述べた。
航空業界については「需要が実質的に干上がり、打撃となっている。米国では空の旅は基本的に止まっている」とした。」
独ルフトハンザ「破綻」排除せず 欧州航空、経営緊迫(日経)
「独ルフトハンザは破綻処理による再建も排除せず、政府と支援交渉を詰めている。英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は28日、最大1万2000人の削減を検討すると表明した。」
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事