金融庁の証券取引等監視委員会は、「開示検査事例集(令和4事務年度)」を、2023年8月31日に公表しました。
「証券取引等監視委員会による開示検査の最近の取組みや開示検査によって判明した開示規制違反の内容、その背景・原因及び是正策等の概要を取りまとめたもの」です(全184ページ)。
「今般公表しました「令和4事務年度 開示検査事例集」では、令和3事務年度版に、令和4年7月から本年6月までの間に開示検査を終了し、開示規制違反について課徴金納付命令勧告を行った事例等を追加しました。追加した内容では、商品売買を仮装した売上の架空計上、代理人取引による売上の過大計上、非財務情報である重要事象等の不記載等、近年の開示規制違反に見られるさまざまな事例を積極的にご紹介しています。また、「監視委コラム」では、開示実務において参考にしていただけるよう、最近の開示検査を通じてクローズアップされた開示制度や内部統制等について、最近の制度改正等を踏まえて解説しています。」(プレスリリースより)
課徴金勧告事例は全部で45件(うち新規のものが4件)掲載されています。そのほか、審判事例が7件です。
新規分は...
(目次より)
元証券取引等監視委員会委員の著書。
ところで、ビジョナリーホールディングスのように、不正疑惑が第三者委員会から指摘され、会計監査が意見不表明でも、決算数値に関して過年度訂正を行わないという場合は、課徴金の対象にならないのでしょうか。訂正しない以上、どれだけの金額が虚偽記載だったのかを示すことができないので、難しいような気もします。