約60大学・短大の教授ら約330人が、出入り業者に研究費を預ける不正経理をしていた疑いがあるという記事。
「朝日新聞が入手したのは、精密機器や実験器具を大学に納入している東京都内の精密機器卸会社が、各教員との取引を記した「預かり金明細書」など。教員側からある時期に一定金額が入金、プールされ、その後、機材購入や設備修理にあてられた取引が記載されていた。入金の際は、同社が作った架空請求書が大学側に提出されたという。」
一種の反面調査でしょうか。
業者側からすると、明細書で記録しておかないと、取引の実績や預かり金がいくら残っているのかがわからなくなってしまいます。預かり分を売上から除いていたとすれば、税務署に説明するためにも必要だったのでしょう。逆に、売上に含めていれば粉飾決算になってしまいます。
支払い側では、私的流用がなく実際に教育研究活動に使われていたのであれば、大きな不正ではないといえますが、正規の手続きからはずれているので、最終的な使途は確認されていないわけであり、記事に書かれているように「私的流用や目的外使用」のおそれは高いといえます。
その他、経費計上のタイミングの問題もあります。
業者への預け金、年度末に集中 教授らの不正経理疑惑(朝日)
「余った研究費を返すと、翌年度以降の予算が削られる。かといって無駄な物を買うわけにもいかなかった」という大学教授のコメントもあります。たしかに、無駄なものでも年度内に実際に買えば不正にはならないのですが・・・。
東工大、副学長が不適切経理の疑い 次期学長就任を辞退(日経)
大学ということでは、こういう記事もありました。↓
創造学園大学長、知人の美術品横領容疑 群馬県警が捜索(朝日)
「捜査関係者らによると、学長は2009年夏、知人男性に対し、堀越学園が運営する高崎市の専門学校で展示すると持ちかけ、古伊万里や甲冑(かっちゅう)などの美術品約100個を預かり、その後、処分した疑いが持たれている。
美術品を貸した男性によると、堀越学園との間で美術品の貸与契約を交わしたという。男性は「美術品は20億円近い価値がある」と話した。」
「県警は、美術品処分の背景に学園の経営難があるとみている」そうです。
(補足)
朝日による続報です。ここまで来ると、大学に損害を与える実質的な不正といえるかもしれません。
預け金、退職後も継続 移籍先大学で利用、不正経理疑惑
私的流用ではないのかもしれませんが、元の大学に損害を与えたことになります。
預け金流用、銀座で飲食 日大教授「業者持ちと思った」
これは私的流用では・・・。
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