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中堅物流の倒産劇、成長企業は「隠れゾンビ」だった…帝国データバンクが解説(DOLより)

中堅物流の倒産劇、成長企業は「隠れゾンビ」だった…帝国データバンクが解説

グッドビリーヴという大阪の中堅物流会社の倒産を解説した記事。

この会社は、ディスカウントストアとの取引などで売上高が急伸していました。設備投資も積極的に行っていたようです。

「設立は2004年1月。商品の運送にとどまらず、保管、ロケーション管理、ピッキング作業、食品加工などの関連業務も一括で受託する物流業務包括受託サービス、いわゆる3PL(サードパーティーロジスティクス)事業を手がけていた。

西日本エリアが主な商圏で、ディスカウントストアやスーパーストア、食品商社、食品メーカー、外食チェーンなど食品関連企業が主要得意先。もともと下請けだったディスカウントストアとの取引が2014年以降は元請けになり、その後、東北から九州地域にかけて15以上の物流センターを整備した。

これにより、30億円ほどだった売上高は急伸し、2017年12月期には100億円を突破。」

上場も目指していたそうです。

ところが、2018年にメイン行が取引を解消し、シンジケート方式で資金調達しますが、その過程で不正なことをやっていたようです。

「この局面で、グッドビリーヴはメイン行と締結したとする金銭消費貸借契約書を偽造。これを中下位行に見せて信用させ、融資を引き出した。最終的には取引金融機関数は20行ほどにまで膨れ上がっていたが、それでも十分な資金は確保できず、同年10月には取引金融機関にリスケジュールを要請するに至った。」

「その直後のバンクミーティングの場で明かされたのが、粉飾決算だった。発覚した粉飾決算は、売り上げが急拡大し始めたあたりから行われていた売上高の水増し。2016年からの3期はいずれも10億円内外の水増しが行われていたという。財務デューデリジェンスの結果、グループの連結財務は約35億円の債務超過であることも判明した。」

「グッドビリーヴの説明によると、売り上げ急拡大の原動力となったディスカウントストアとの取引は、開始当初からずっと赤字だったのだという。粉飾決算を行ったのはこの赤字を隠蔽(いんぺい)するためだった」

ディスカウントストアとの取引を縮小したところ、「売上高は、針で突いた風船のようにみるみるうちにしぼんでいった」のだそうです。

結局再建計画もうまくいかず、倒産に追い込まれたとのことです。

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