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日本ガイシに77億円税還付 移転価格税制の追徴課税巡り(日経より)

日本ガイシに77億円税還付 移転価格税制の追徴課税巡り

日本ガイシ(東証プライム)が、移転価格税制で追徴課税されていたうちの約77億円が還付されると発表したという記事。

「日本ガイシは11日、ポーランド子会社との取引について名古屋国税局から約85億円を追徴課税された処分を巡り、法人税や地方税など約77億円が還付されると発表した。同日、名古屋国税局から通知を受けた。加算金とあわせ2023年3月期に純利益の増加要因として計上する。

日本ガイシによると、ポーランド子会社が自動車用排ガス浄化装置を製造する際、本体に支払う技術料を適正価格より安くして本体の所得を同子会社に移したとみなされていた。」

会社のプレスリリース。

移転価格税制に基づく更正処分等に係る減額再更正処分に関するお知らせ(日本ガイシ)(PDFファイル)

2007年3月期から2010年3月期までに関しても裁判となり、すでに会社側勝訴で確定済みです。今回は、その後続年度の更正処分に関するもののようです。

「当社は、後続年度におけるポーランド子会社と当社との取引に関しても同様に、2017年6月に名古屋国税局より後続年度更正処分等を受け、地方税を含めた追徴税額約 85 億円を納付いたしましたが、処分の取消しを求め、2018年7月に名古屋国税不服審判所へ審査請求を行い、2019 年7月に当該処分を一部取り消す旨の裁決書を受領しておりました。しかしながら、この段階では法人税額・地方税額等約4億円の還付に止まったことから、当社としては全額が取り消されるべきと考え、2019 年 12 月に東京地方裁判所に対して後続年度更正処分等の取消訴訟(以下、後続年度取消訴訟)を提起しました(2019 年 12 月 25 日付け「移転価格税制に基づく更正処分に対する取消訴訟の提起について」をご参照下さい。)。

後続年度取消訴訟は東京地方裁判所において現在も審理中ですが、本日、名古屋国税局より、本件減額再更正処分に係る更正通知書を受領しました。本件減額再更正処分により後続年度におけるポーランド子会社と当社との取引に関し、法人税額・地方税額等の納付すべき税額が減額されます。これにより、納付済みの法人税額・地方税額等約 77 億円が還付されます。なお、当社は、本件減額再更正処分により納付済みの追徴税額の相当部分が還付されること等を総合的に考慮し、後続年度取消訴訟を取り下げる予定です。」

業績への影響は...

「本件減額再更正処分により還付される法人税額・地方税額等約 77 億円は、還付に伴い発生する還付加算金と合わせて当期純利益の増加要因として 2023 年3月期に計上いたします。」

第2四半期に計上するのでしょうか。それとも、還付が確定したのが10月だから第3四半期なのでしょうか。

また、第1四半期報告書をみると、過年度法人税等△4,100百万円が計上されています。

PL注記によると、

「ポーランド子会社と当社の取引に関し、2017年6月に移転価格税制に基づく更正処分の通知を受領したため、2016年3月期から各連結会計年度についての見積税額を計上しておりましたが、2016年3月期以降を対象とする税務調査が終了した結果、計上済みの見積金額を戻し入れております。」

とのことです。

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