立教も青学も…合格率低迷で拍車 甘い目算、乱立で質低下(記事冒頭のみ)
(今に始まった話ではありませんが)法科大学院の撤退が進んで、ピーク時のほぼ半数になってしまったという記事。
「法科大学院の撤退が相次いでいる。来年度に学生を募集する大学院はピーク時のほぼ半数の39校に減った。乱立が教育機能の低下を招き、司法試験合格率は低迷。政府の「法曹需要が増える」との見通しも外れた。大学院を出ても試験に合格できない、合格しても事務所への就職が厳しい――。それが志願者の減少に拍車を掛けている。」
有名私大も...
「今年に入り、立教大と青山学院大が不採算などを理由に18年度からの募集停止を発表した。両校の入学者は10人台、司法試験の合格率は1桁台。立教大の吉岡知哉総長は「いったん志願者が集まらなくなると、立て直しようがなかった」と悔やむ。」
大学院の質の問題と需要側の、両方に問題があったようです。質に関しては...
「しかし、乱立が教育機能の低下を招く。当初は20校程度と見積もられた法科大学院は、ピーク時は74校に上った。文部科学省のある職員は「大学側には法科大学院がないと三流大学扱いされてしまうとの思惑が強かった」と振り返る。
「責任を持って教育しようという意識が希薄」「改善が必要との意識が欠如」。文科省が法科大学院を審査した報告書には厳しい言葉が並んでいる。既に募集を停止した法科大学院を修了した男性は「授業で関係のない話を延々とする教授や進級すら危ない学生も多く、モチベーション維持に苦労した」と話す。
当初は70〜80%と見込んだ法科大学院の司法試験の合格率は20%台と低迷している。国立大で約80万円、私立大で100万円以上という高額の学費を2年以上払ってまで通う「うまみ」は薄れ、法科大学院離れが進んだ。」
需要に関しては、予備試験に学生が流れていることのほか、政府の見込み違いがあります。
「政府は規制緩和の進展で「行政による事前規制型社会」から「司法による事後救済型社会」への転換を目指した。02年、法曹人口を大幅に増やす必要があるとして司法試験の合格者数を「10年ごろに年間3千人」とする計画を閣議決定した。
政府の方針を受け、司法試験の合格者は増え、07年から13年までは2千人台を突破。02年に約1万8800人だった弁護士は、16年には約3万7600人と倍増した。」
「だが、弁護士の活動領域は想定ほど広がらなかった。訴訟件数は減少し、企業や自治体で働く弁護士は増えたものの規模は小さいまま。弁護士が供給過多になり、政府は13年に3千人計画を撤回、15年に1500人以上と下方修正した。」
「このまま法科大学院離れが続けば法曹界に有為な人材が集まらなくなる。」
大学院の数にせよ、弁護士の数にせよ、数を増やせば競争が激しくなって質も上がるという理屈があったのだと思いますが、どうもそうはいかなかったようです。
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