ソフトバンクグループの副社長を務めていたニケシュ・アローラ氏の在任中の行為を巡って米証券取引委員会が調べているという記事。ブルームバーグがそのような報道を行ったそうです。
「アローラ氏に利益相反や疑わしい行為がなかったかどうかを調査しているという。
ブルームバーグは、米SECの調査は予備的なもので、「アローラ氏やソフトバンクに不適切な行為の疑いはかけられていない」としたが、ソフトバンク株は報道を受けて一時、前日比3%安の5632円まで下げた。」
「ソフトバンクは1月末、「株主の利益を代表していると自称する」米国の法律事務所から、アローラ氏が利益相反に関与した可能性や経営判断のまずさなどを指摘した上で、内部調査を求める複数の書簡を受け取った。
書簡には、ソフトバンクの副社長と米国の投資会社シルバーレイクの幹部を兼務していたアローラ氏が、ソフトバンクのために行うべきだった投資と同様の取引をシルバーレイクのために行ったことは「シルバーレイクを利し、ソフトバンクの利益を損なう恐れがある」とあった。」
孫氏、求められる説明責任 アローラ氏の利益相反疑惑(朝日)
この朝日の記事もブルームバーグを引用したものです。
こちらがネタ元と思われるブルームバーグの記事です。
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SoftBank Said to Face Inquiry Over Alleged Arora Conflicts(ブルームバーグ)(動画あり)
The Securities and Exchange Commission office in Los Angeles is looking into whether Arora had conflicts of interest or engaged in questionable behavior as well as SoftBank’s disclosures to investors, said the people, who asked not to be named because the matter isn’t public. The opening of an SEC inquiry is typically a preliminary step and doesn’t mean SoftBank or Arora, neither of whom have been accused of wrongdoing, will ever face an enforcement action.
ソフトバンクに書簡を送りつけたのはBoies Schiller & Flexnerという事務所ですが、利益相反を理由に法律顧問を辞任し、Ira Lee Sorkinという弁護士に交代したそうです。
ついでなので、ソフトバンクグループの2016年3月期有報で、注目されているスプリントののれんに関する注記を見てみました(連結財務諸表注記13)。
スプリントの回収可能価額は、使用価値ではなく「処分コスト控除後の公正価値」で算定しているそうです。
公正価値であれば、通常は株価が優先して使われるはずですが、ソフトバンクの場合は違うようです。
「スプリントの2016年3月31日の株価は3.48米ドルであり、1株当たり連結簿価を下回っていますが、公正価値の測定は、株価のみに依拠せず、将来の事業計画や支配プレミアムの見積り等、株価以外のインプットを考慮して測定しています。公正価値の測定には多くの判断が必要であり、基礎となる仮定の変化による影響を強く受けます。従って、のれんおよび耐用年数を確定できない無形資産の減損テストに使用した見積りや仮定が、将来の正確な予測である保証はありません。スプリントの継続した長期間にわたる、業績、将来予測キャッシュフロー、成長率およびその他の前提事項の下落および減少、また、スプリントの株価および時価総額の大幅な長期間にわたる下落および減少は、重要な仮定および公正価値の見積りに影響し、のれんおよび耐用年数を確定できない無形資産の将来の大幅な減損につながる可能性があります。
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