金融庁のホームページに昨年12月16日開催の企業会計審議会企画調整部会の議事要旨が掲載されました(議題:国際会計基準(IFRS)について)。
委員の意見が掲載されていますが、やはり、IFRS任意適用論が多いようです。
強制適用については、それを前提としたロードマップを作成すべき、はっきりした形で目標を定めるべき、極力早く移行すべきといった積極論もありますが、慎重論もあるようです。
監査に関係して以下のようなコメントもありました。強制適用慎重論に分類できます。
「国際会計基準と、2011年以後のコンバージェンスが進んだ日本基準との違いの内容が現段階ではわからない。監査の現場においてどのような違いが出てくるのかもわからない。
プリンシプル・ベースになると、監査法人の判断の余地が大きくなり、監査法人の競争、特徴が出てくることになると思われるが、それが日本になじむかどうか。
米国も強制適用することを決めたとまでは言っておらず、現時点において、我が国は選択適用にとどまらず最終的に強制適用すると言い切ってしまうのは後世に禍根を残すことにならないか懸念される。」
現状では、米国基準適用会社を除き、日本の会計基準と監査基準を使っており、基本的に監査法人の中だけで、基準を解釈し判断しています(もちろん重要な問題であれば当局や会計士協会と協議するかもしれません)。しかし、IFRSを正式に適用するということになると、大手監査法人はそれぞれ加盟しているグローバルネットワークによる会計基準の解釈に従うことになるでしょう。任意適用で会社数が少なければ、そうした枠組みでも機能すると思いますが、上場会社すべてが対象となった場合にうまくいくのでしょうか。
まだ先の話とはいえ、課題は多そうです。
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