単独営業益1割減、連結と差 日産など22年3月期赤字(記事冒頭のみ)
上場会社の単独決算の業績が振るわないという記事。
「上場企業のグループ中核である単独業績が振るわない。2022年3月期の単独営業利益は金融危機前に比べて1割減り、グループ全体の連結ベースが3割増益になったのと対照的となった。生産の海外移管が進み国内の本業で稼ぎにくくなったためで、国内への円安恩恵が乏しい要因となっている。海外で稼いだ利益を国内でどう活用するかが課題となる。」
東証プライム上場の企業(金融などを除く)を日経が調べたそうです。
「22年3月期の営業利益を08年3月期と比べると、グループ全体の連結ベースでは26%増の42兆円と金融危機後で最高だったのに対し、国内の親会社を示す単独ベースは12%減の14兆円だった。」
日産自動車、ホンダ、SUBARUなど120社が、前期、営業赤字だったそうです。
ただし、ホンダやSUBARUは、海外子会社などからの配当収入により最終黒字を確保しているそうです。また、単体ベースの手元資金も増えているそうです(だから、海外子会社が潤っているが、親会社は苦しいということではない)。
「上場企業の単独ベースの手元資金は22年3月末で49兆円と08年3月末の2倍にのぼる。」
この記事では、単体決算を、国内で稼いでいるかどうかの指標としているようです。記事であがっている自動車会社などの例では、ある程度、国内での儲けの指標にはなりそうですが、国内の連結子会社もあるでしょうし、そもそも、持株会社になっている場合は、どこで儲けているかという観点では、単体決算の意味はありません。
本来は、地域別セグメント情報を復活させれば、儲けているのが国内なのか海外なのかが、よりはっきりするでしょう。円安の影響も予測しやすいでしょう。
日経も、そういう提案をすればよいのでは。