回転ずし最大手、ついに再上場を果たす
スシローの再上場を取り上げた記事。
「回転ずし業態首位の「あきんどスシロー」を運営するスシローグローバルホールディングスは3月30日、東京証券取引所1部市場に再上場した。2009年に非上場となって以来、8年ぶりの市場復帰だ。
公開価格3600円に対し初値3430円と軟調なスタートになったが、公開時の時価総額は942億円で外食産業としては2014年のすかいらーく(再上場時の時価総額2330億円)以来の大型案件となった。」
ファンドによる買収、上場廃止、別のファンドへの売却といった経緯やその後の経営改善についてふれています。
財務的には、こういうケースの特徴が出ているようです。
「念願の市場復帰を果たしたスシローだが、再上場に伴い明らかになった問題がある。財務体質の脆弱性だ。
再上場に先立って公表された有価証券届出書を見ると、「のれん資産」と「無形資産」(特にブランド)は計849億円と、総資産の7割近い額が計上されている。自己資本に対して3倍以上もの額である(2016年9月期)。
ペルミラが株式を取得する際にLBO(買収企業の資産や将来のキャッシュフローを見合いに金融融資を受けて買収資金を捻出する手法)を実施したため、それに伴って計上されたものだ。
スシローHDはIFRS(国際会計基準)を採用しているため、毎期のれん償却費を計上することはないが、一方で厳しい減損テストが都度実施され、将来の十分な収益性が認められない場合は減損を計上しなければならない。つまり、同社は大きな減損リスクを抱えていることになる。」
東京証券取引所市場第一部への上場に伴う当社決算情報等のお知らせ(スシローグローバルホールディングス)(PDFファイル)
要約四半期連結財務諸表をみると、2016年末で、総資産1226億円に対し、のれん303億円、無形資産545億円となっています。のれん償却の要否がよく議論されますが、この会社の場合は、のれん以外の無形資産の方がのれんを上回る重要性があるようです。
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