社団法人・日本農村情報システム協会が、所管官庁の承認なく基本財産を取り崩した上、今年3月末時点で6億5千万円余の債務超過に陥っている、という記事。
「農水省などの説明によると、同協会は農村が防災無線やケーブルテレビを導入する際の計画作りなどの仕事を自治体などから受注し、その一部を任意団体「情報システム技術会議」に委託していた。01年度以降、技術会議が委託費内で収まらなかった経費を請求してきた際、総務部長ら一部幹部の判断で全額負担したことなどで、01~08年度に委託費を6億4千万円過払いしたほか、経理ミスなどもあった。また、事務所の家賃などを支払う必要もあり、01年度から基本財産を取り崩したという。
基本財産は、電機メーカーなど企業23社が出資している。取り崩すには、同協会の総会の議決と所管する3省の承認がいる。しかし、協会はこの手続きをとっていなかった。基本財産は04年6月に使い切り、05年度は4億8500万円の債務超過に陥り、08年度には6億5600万円に達したという。」
基本財産を取り崩したことが問題というより、法人の機関で承認もされず支払わなくてもいい経費を支出したことが問題です。また、(仮に正当性のある支出であったとして)債務超過という実態が計算書類において示されていたのであれば、基本財産の取り崩しに関する手続きの不備というだけですが、何らかの方法で正味財産(純資産)を水増ししていたとしたら、はるかに悪質な粉飾決算ということになります。
元官僚の関係2社に業務再委託 委託費水増し問題
「同協会は基本財産を取り崩したことが発覚しないよう、金融機関から借りた資金で帳簿上の債券を工面するなどして農水省の検査、公認会計士による外部監査の目をすり抜けていたという。」
簿外の借り入れがあったということになるのでしょうか。公益法人の監査も実は非常にリスクが高いのかもしれません。
社団法人・日本農村情報システム協会
決算書を見る限り、債務超過にはなっていません。
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