オオカミ株主をけん制 株の保有報告違反、監視委が初の単独摘発(記事冒頭のみ)
三ツ星という上場会社の株式の取得をめぐり、大量保有報告規制違反で複数の投資家が摘発された事件を取り上げた記事。引用されている弁護士の見解によれば、ウルフパック戦術の典型なのだそうです。
「証券取引等監視委員会は6月、大量保有報告書を期限までに提出しなかったなどとして企業と個人の3者に計98万円の課徴金を命じるよう金融庁に勧告した。大量保有報告規制違反のみでの摘発は初。8月末、同庁は納付命令を出した。専門家は、複数の投資家がひそかに協調して株を買い増し要求を実現させる「ウルフパック(オオカミの群れ)戦術」に対するけん制効果があるとみている。」
三ツ星は、結局、投資家側に乗っ取られてしまった(経営支配権が移転した)そうです。
別の弁護士は、コメントで、この程度の課徴金で抑止効果は期待できないといっています。
金融庁のプレスリリース。
(株)三ツ星株式に係る大量保有報告書等の不提出等に対する課徴金納付命令の決定について(金融庁)
(株)三ツ星株式に係る大量保有報告書等の不提出等に対する課徴金納付命令の決定について(金融庁)
(株)三ツ星株式に係る変更報告書の不提出等に対する課徴金納付命令の決定について(金融庁)
監視委課徴金勧告時の説明図より。
企業の「不意打ち買収」に大打撃?証取委が「狼の群れ」に厳しい対応し始めたワケ(DOL)(記事の一部のみ)
「ウルフパック戦術とは、オオカミが集団で襲い掛かるように複数の投資家が水面下で協調して市場内で買い上がり、TOB(株式公開買い付け)のルールを免れつつ経営権の奪取を図るもの。
大量保有報告書を提出すると思惑から株価が高騰するため、提出を遅らせて安値で株式を買い進めたり、共同保有者の存在を明かさなかったりすることで対象会社に警戒心を抱かせないことが、戦術のキモになる。これまで大量保有報告規制違反単独での摘発事例が少なく、万が一摘発されても課徴金が少額にとどまることが、ウルフパック勢を勢いづかせてきた。」