「モノライン」と呼ばれる米金融保証保険会社の経営危機を取り上げた記事。
「保証会社は証券化商品の発行主体から保証料を受け取り、デフォルト(債務不履行)が生じた場合に元利払いを肩代わりする。自動車や火災など多くの保険を手がける通常の保険会社「マルチライン」に対して、金融商品に特化しているため「モノライン」と呼ばれる。サブプライム関連を含むRMBS(住宅ローン担保証券)などの証券化商品の保証残高は90兆円を超える。」
保証会社の経営が悪化すれば、90兆円の証券化商品は、保証を受けられないリスクが高まり、評価が下がることになります。
Ambac Looks at ‘Alternatives’ After $3.26 Billion Loss
こちらは毎日の記事でもふれているアムバックの決算の記事。第4四半期で32億ドルの純損失を出しています。
Driving the company’s loss, which amounts to $31.85 a share, was a $5.21 billion write-down on its portfolio of credit derivatives. About $1.11 billion was tied to financial instruments backed by subprime mortgages.
赤字の原因となったのは、52億ドルのクレジット・デリバティブの評価損(うち11億ドルがサブプライム債権に基づく金融商品に関連するもの)です。デリバティブの損失ですから、取引の相手側には利益が出ている(または保有する債券の損失をヘッジしている)ことになり、経済全体には影響しないのかもしれませんが、保証会社自体が破綻すれば、その利益(またはヘッジによる損失の相殺)もかなりの部分消えてしまいます。
ちなみに、金融商品会計実務指針103項では、企業自体の信用リスク及び取引相手先の信用リスクは、原則として、(非上場デリバティブ取引の)時価評価にあたって加味する、とされています。
MBIA, Ambac Bond Default Risk Exceeds 70%, Swaps Show
こちらの記事では、credit-default swapsの市場価格から逆算すると、アムバックともう1社の保証会社の発行する社債が5年以内にデフォルトになる確率が、70%以上あるといっています。
MBIA Inc. and Ambac Financial Group Inc., the two biggest bond insurers, have a more than 70 percent chance of going bankrupt, credit-default swaps show.
Prices for contracts that pay investors if Armonk, New York- based MBIA can't meet its debt obligations imply a 71 percent chance the company will default in the next five years, according to a JPMorgan Chase & Co. valuation model. Contracts on New York- based Ambac imply 72 percent odds.
日米欧主要23社14兆円損失…サブプライム打撃拡大
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