IFRS対応方針協議会は、IFRS財団が2021年4月30日に公表した公開草案「IFRSサステナビリティ基準を設定する国際サステナビリティ基準審議会を設立するためのIFRS財団定款の的を絞った修正案」に対するコメントを公表しました。
IFRS対応方針協議会というのは、企業会計基準委員会のほか、金融庁、経団連、会計士協会など9団体から構成されている、国際会計基準(IFRS)に関連する意見集約を目的とした会議体です。今回のコメント提出に当たっては、7つの団体がさらにオブザーバーとして参加し、意見集約を行ったとのことです。
「総論として、我々は IFRS 財団の定款修正案の骨子に同意し支持する」というコメントになっています。
そのうえで、新しい審議会のボードメンバー選定や基準設定プロセス、リソース(資金と人材)などについて意見を述べています(日本が影響力を行使できるようにしてくれという趣旨でしょう)。
ということで、企業財務に関係する日本の主な団体は、国際サステナビリティ基準審議会の設立に賛成ということになります。今後は、おそらく予定どおり設立されるであろう新審議会にどのように関与していくのか、そして新審議会が策定する基準を日本の制度にどのように取り込むのかという問題を検討していくのでしょう。2つの問題はたぶん関連していて、日本の制度に反映させないのであれば、新審議会に関与する必要性は薄いでしょうし、関与もさせてくれないでしょう。関与したければ、日本側の制度対応を早く決めなければいけないでしょう。
金融庁も加盟しているIOSCOの考え方は...
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世界を震撼させるEU「脱炭素」ゴリゴリの本気度
包括案には国境炭素税など具体案が目白押し(東洋経済)(The New York Times配信)
「ヨーロッパの政策当局は、他国の公約よりも圧倒的に早く化石燃料依存から脱却するべく大がかりな立法作業を進めている。ヨーロッパ連合(EU)の温暖化ガス排出量は中国とアメリカに次ぐレベルだが、この法案には環境規制の緩い国からの輸入品に関税を課す国境炭素税などが含まれ、貿易をめぐる世界的な論争に発展する可能性がある。」
上記IFRS対応方針協議会コメントでは、新審議会のメンバーについて「地域や所属する業界も含めた多様性を確保することが重要」といっていますが、欧州のメンバーばかりになることを懸念しているのでしょうか。
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