新リンク:
https://jicpa.or.jp/news/information/2018/20180327hsu.html
日本公認会計士協会は、会員に対する懲戒処分を、2018年3月27日に公表しました。
ジャスダック上場会社の四半期レビュー(限定付結論を表明)に不備があったとされています。
処分を受けた会計士は、有名な(?)人です。
会員専用ページでは、同じ案件で、もう一人の会計士の処分も公表されています。
なぜこの人だけ、一般向けページで公表されているのかは、よくわかりません。
(資料のコピーができないように細工されているので、少し時間がかかりますが、あとで内容も紹介したいと思います。)
(補足)
以下のような事案です。
・監査・レビューの対象は、システム開発事業及びソフトウェア製品事業を主要事業としてジャスダックに上場している会社。
・国税局からの「過年度取引の一部について 不適切な取引及び不適切な会計処理が行われた可能性がある」との指摘及び証券取引等監視委員会による調査に対応するため、社内調査委員会を設置し調査を開始。
・この結果として、過年度の会計処理にも誤りがある可能性があること、前代表取結役社長であるX氏が関与していた疑いがあること等も判明。
・事実関係及び原因のさらなる究明を目的として、第三者委員会を設置。
・平成27年3 月期第2四半期の四半期報告書の延長後の提出期限までに証券取引等監視委員会の調査が終了せず、第三者委員会の調査報告書公表は、平成27年1 月末までずれこんだ。
・会社は、平成26年12月に平成27年3月期第2四半期の財務諸表を過年度の訂正金額等を反映せずに作成し、それを受けて関係会員は、限定付結論を表明。
・その後、会社は、平成27年2 月に過年度有価証券報告書及び四半期報告書の訂正報告書を提出し、関係会員は、それに対して適正意見付監査報告書及び無限定の結論付四半期レビュー報告書を提出。
・協会が問題にしているのは、平成27年3月期第2 四半期の四半期レビュー。
・関係会員は、 訂正財務諾表の監査及び訂正四半期財財務諸表の四半期レビュー並びに平成27年3月期第2四半期の四半期レビューを同時に受嘱しており、平成27年3 月期第2 四半期に関してレビューの結論を表明する時点で、過年度の財務諸表に関して訂正を要する可能性が高い重要な未確定事項があることを認識していたのであるから、訂正財務諸表の監査が完了した後に平成27年3 月期第2 四半期に係るレビューの結論を表明すべきであった。
・訂正監査が終了していない状況の中で、平成27 年3月期第2四半期財務諾表に関してレビュー意見を述べる場合には、「結論の不表明」又は「否定的結論」以外の結論を述べることが可能か否かの判断においては、関係会員が当初要修正額と認定した対象項目以外に、過年度分も含めて修正すべき項目がないかを検討する必要があった。
協会綱紀委員会の判断。
平成27年3月期第2 四半期の四半期レビューで「財務書類に対する結論表明の基礎を得ていないにもかかわらず結論を表明した。」
たしかに、過年度の訂正報告書の監査がすんでから、当期の四半期レビューの結論を表明するというのが、正しいやり方でしょう。しかし、四半期報告書の提出期限を絶対に守らなければならないという状況であったとしたら、限定付結論でその場をしのぐことが100%間違いともいえないように思われます(無限定はダメ)。(会社に再度期限延長を申請させればよいという話ではありますが)
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