日本公認会計士協会は、監査実施状況調査(2021年度)を、2023年2月17日に公表しました。
この調査は、会員が協会へ提出する監査概要書(写)及び監査実施報告書から抽出したデータを元に、監査に関与する者の人数、監査時間や監査報酬額を統計資料として取りまとめたものです。
今回公表されたのは、2021年4月期から2022年3月期に係る監査実施状況です。監査区分別(金商法監査・会社法監査は業種別、金商法監査は上場区分別も)に、集計されています。監査概要書等に公認会計士資格の誤表記が多数発生したことを受け、2023年1月末日までに再提出のあったものを含めて集計しているとのことです。
監査報酬が最も多い区分である「金商法監査(連結あり)」(総額 1868億円)をみると、平均監査報酬は 53,841千円(前年度は 52,717千円)となっており、約2.1%増えています。
平均監査時間(2021年度 4,493.1時間←2020年度 4,441.1時間)は1.2%増、平均単価(2021年度 11,983円/時←2020年度 11,870円/時)は1.0%増です。
すべての監査区分を合計した監査報酬総額(法定監査の市場規模とほぼ同じ?)は 3176億円(前年度は3078億円)です。
監査報酬額、監査時間、時間当たり単価の推移をまとめた参考資料もついています。
金商法監査の数値を見ると...
平均監査時間は増加傾向ですが、時間あたり単価は、ほぼ横ばいです。グラフを見ると、金商法監査の総監査時間は、2012年と比べて、1.3倍ぐらいになっていますが、監査法人の人員はそんなに増えているのかどうか...。
四半期レビュー時間の割合を示した資料もあります。
この割合のとおり、第1四半期と第3四半期をなくすと、16%ほど監査時間を減らすことができます(それに応じて報酬も?)が、たぶん、そうはならないでしょう。