スルガ銀行の株価が、シェアハウス投資問題で下がっているという記事。
「スルガ銀行<8358.T>の株価が1月から下落基調となり、今月6日までに時価総額の3割を失った。スルガ銀行がシェアハウスの建設資金を融資し、その一部が回収不可能になるのではないかとの懸念が浮上。株価下落の大きな要因として認識されている。」
「スマートデイズによると、2018年1月時点で845棟(部屋数1万1259)のシェアハウスを主に東京都内で運営、そのオーナー数は約700人としている。
シェアハウスのオーナーのほとんどが、スルガ銀行から融資を受けていたという一部報道について、スマートデイズは金融機関とオーナーとの契約についてはコメントができないとしている。
UBS証券の銀行アナリスト、伊奈伸一氏は2月28日付のレポートの中で800人程度と報じられているシェアハウスのオーナー数から、スルガ銀行には1000億円程度の融資残高があると想定。
全額が返済されない可能性があるとして、200億円程度の与信コストが2019年3月期にかけて発生する可能性があるとしている。」
記事によれば、2018年3月期の当期純利益の予想が430億円とのことなので、赤字になるほどの影響はないのでしょうが、そもそもこういう融資をしていいのかという問題はあるのでは。また、シェアハウスほどひどくなくても、似たような個人の不動産投資向けの融資をやっている可能性はないのでしょうか。
決算に関しては、大手監査法人(新日本)が監査しているので、厳しく引き当てるものと期待されます。
その他、シェアハウス投資関連の記事。
銀座クラブで30万円の接待攻勢 シェアハウス投資で4億5千万円を損した男性も(週刊朝日)
「GG社が運営するシェアハウスは約150棟あったと見られ、SD社と合わせると約1千棟になる。両社のシェアハウス投資で、顧客らに融資していたのがスルガ銀行(本店・沼津市)だ。
実際、両社に投資して莫大な借金を背負うことになった会社員もいる。CさんはSD社で2棟、GG社で1棟のシェアハウスに投資し、4億5千万円の借金を背負うハメになった。
Cさんが表情をこわばらせながら話す。
「家族に少しでもお金を残すつもりで投資したのですが、逆の結果になってしまいました。銀行への返済額は月額150万円を超えます。やがて立ち行かなくなるのは目に見えています。スルガ銀行がお墨付きを与えたビジネス方式だから、信用して投資したのです」
オーナーとなった会社員らは、シェアハウスを処分すらできない状況だ。市場価格よりも割高な価格で購入しており、売却しても莫大な赤字が出るからだ。」
「被害に遭った会社員らは現在、法的措置を検討中だ。被害相談を受けている加藤博太郎弁護士は、こう指弾する。
「今回狙われたのは、比較的収入がいい大手企業の会社員たちです。会社員の信用を使って融資を引き出す詐欺的スキームです。市場価格より3~4割高くても、30年間の定額保証で回収できるから、被害者たちは1億円前後の融資を受けて投資したのです。それが長くて数年、早い人だと1カ月でサブリース契約を切られるのだから、計画的な手口というほかない。1棟で3千万円の利ザヤがあったとすれば、1千棟で300億円がどこかに消えているのです。近く損害賠償請求訴訟の提起および、詐欺での刑事告訴も視野に入れています」」
シェアハウス融資で混乱=銀行の貸し手責任問う声(時事)
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