会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

5年前の原油流出、BPが2.3兆円支払いで和解合意(朝日より)

5年前の原油流出、BPが2.3兆円支払いで和解合意

(少し古いニュースですが)英石油大手BPが、メキシコ湾での原油流出事故に関連して、計187億ドル(約2兆3千億円)を支払うという記事。

「英石油大手BPは2日、2010年にメキシコ湾で大量の原油が流出した事故の汚染被害をめぐり、米政府や湾岸の5州などとの間で和解の原則合意に達した、と発表した。BPが今後18年間で、最大で計187億ドル(約2兆3千億円)を支払う内容で、米司法省によると環境汚染に関する支払いとしては米史上最大という。」

会社のプレスリリース。今回の和解で事故の損失処理はほぼ完了したようです。

BP to Settle Federal, State and Local Deepwater Horizon Claims for up to $18.7 Billion With Payments to be Spread Over 18 Years

すでに今年の第1四半期末までに438億ドルの損失を計上済みで、今回の和解により、約100億ドルの損失が追加計上されるようです。

The expected impact of these agreements would be to increase the cumulative pre-tax charge associated with the Deepwater Horizon accident and spill by around $10 billion from $43.8 billion at the end of the first quarter.

累計で約538億ドル(120円換算で6兆4560億円)の損失を計上することになります。さすがに、BPのような巨大企業にとっても大きな負担と思われますが、東京電力のような変な粉飾を行わずに、すなおに損失処理を行ったことになります。

ちなみに、東京電力の実質的粉飾金額(国に返さなければならない交付金を利益計上した金額から、負担金として費用計上した金額を差し引いたもの)は、7兆円に達したもようです。

同社の2014年アニュアルレポート。原油流出事故に関する説明のために特別のページを設けています(36ページ~)。

https://www.bp.com/content/dam/bp/pdf/investors/BP_Annual_Report_and_Form_20F_2014.pdf

アニュアルレポートより、計上済みの435億ドルの損失の内訳。



英BP、2.3兆円支払いで和解 原油流出で米などと(日経)

「英BPは2日、2010年4月にメキシコ湾で起こした原油流出事故を巡り、米連邦政府やメキシコ湾岸の5つの州と総額で最大187億ドル(約2兆3000億円)を18年間にわたって支払うことで和解した。米国で過去最大級の原油事故は決着に向け大きく前進した。」

Gulf of Mexico oil spill: BP finally gets disaster closure with $18.7bn payout(Independent)

BP has removed most of the remaining uncertainty over the cost of the Gulf of Mexico oil spill as it announced a record $18.7bn (£12bn) deal to settle all outstanding federal and state claims in the US.

東京電力7兆円粉飾の金額根拠。

政府が東電の再建計画変更を認定、原発賠償7兆円に(ロイター)
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