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金融安定理事会による「気候関連財務情報開示タスクフォースによる最終提言」の公表について(金融庁)

金融安定理事会による「気候関連財務情報開示タスクフォースによる最終提言」の公表について

金融安定理事会が設置した気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による、「気候変動関連財務開示に関するタスクフォースの勧告」(Recommendations of the Task Force on Climate-related Financial Disclosure)が公表され、報告書へのリンクが金融庁のサイトに掲載されました。

TCFDは、投資家や貸し手等が重要な気候変動関連リスクを理解する上で有用となる、任意かつ一貫性のある開示の枠組みを策定することを目的として、FSB(金融安定理事会)が2015年12月に設置した民間主導のタスクフォースです。ブルームバーグの創立者で元ニューヨーク市長のMichael R. Bloombergrが座長を務めています。日本からも東京海上の人が参加しているようです。また、ビッグ4事務所(PwC、EY、KPMG)もメンバーを出してます。

サマリーを見ると、気候変動の影響は長期的なものであって、今行う意思決定には必ずしも関連しないという間違った考え方を多くの組織がもっているが、決してそうではないといっています。気候変動リスクと低炭素経済への移行は、多くの経済セクターにまたがって、重要なリスクをもたらすとともに、気候変動軽減と気候変動への対応にフォーカスしている組織には重要な機会を与えています。

投資家と投資先である組織は、長期的な戦略と最も効率的な資本配分を検討すべきであるが、情報が不十分なために、気候変動関連リスクが、現在の投資評価に反映されていないという問題があります。組織が低炭素経済に対してどのように備えているのかに関する十分な情報を、投資家は必要としています。

今回の勧告は、さまざまな業種や国を対象とするものです(金融セクターを特に重視)。ガバナンス、戦略、リスク管理、指標および目標という4つの中核的要素から構成されています。


(勧告書より)

気候変動関連情報の開示は、既存の正式な開示制度の中で行うことを勧告しています。国ごとの開示制度と整合しない場合は、会社の正式の報告書として公表するよう推奨しています。

(当然のことですが、あくまで、投資意思決定に役立つ情報という金融からの観点による勧告のようです。)

金融安定理事会のプレスリリース。

Task Force publishes recommendations on climate-related financial disclosures

ビッグ4事務所による解説。

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による最終提言の公表(KPMG)

こういう動きは、まさに企業にリスクと機会をもたらすものでしょう。

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