(やや古い記事ですが)新型コロナウイルス関連の情報で株価が急騰する例が相次いでいるという記事。(東証の注意喚起というのは6月の話です。)
「上場企業が新型コロナウイルスのワクチンや治療薬を開発するとの情報を発信し、コロナ危機打開への期待感から株価が急騰するケースが相次いでいる。しかし中には事業の実態が分からず、株価つり上げを狙ったと疑われる事例もある。」
「パチンコなどの遊技機販売に加え、近年になって医療関連事業を手掛けるようになった企業が、今年1~2月に「中国におけるウイルス感染症対策事業」に関する複数の情報を自社サイトで開示した。中国企業と提携し、インフルエンザで開発中のワクチンを新型コロナにも試すとの内容で、一時ストップ高を付けるなど株価が急騰した。
だが、この企業は最近の年間売上高が1億円程度しかなく、ワクチン事業の実現性を疑う見方が浮上。株価はすぐに急落した。9月には破産手続きを開始し、コロナに関する開示情報も削除した。ワクチン事業とは別に同社は2月、株価を上げる目的で虚偽の情報を開示したとして証券取引等監視委員会の強制捜査を受け、外部の調査委員会も「風説の流布などの疑いがある」と報告書で指摘した。」
9月に破産手続開始、2月に強制捜査というと、ジャスダックに上場していたNutsのことでしょうか。
「米製薬大手ファイザーなどが開発中の新型コロナワクチンの有効性を示す試験結果を公表して世界的な株高となったように、コロナ関連事業の注目度は高い。日本でも治療薬開発の取り組みを発表した企業の株価が10倍になった例もある。ただ医療分野の実績が不明なアパレル企業が治療薬事業への参入を発表するなど、実際に開発できるかどうかの投資判断は難しい。」
どこの会社なのでしょうか。
東証によるチェックには限界があるようです。
「上場企業には、経営上の重要情報を東証の「適時開示情報閲覧サービス」で流す義務があり、東証が内容もチェックする。東証は企業側が自社サイトで発表した内容も「必要に応じて指導する」と説明するが、全てを調べるのは困難で、対応には限界がある。」
適時開示や会社ウェブサイト上での開示は、法定の提出書類ではないので、いい加減な情報でも、厳しく取り締まられないのでしょう。
学者のコメント。
「早大大学院の宇野淳教授(証券市場)は「企業の情報発信がネットなどで多様化し、怪しい情報も流布している。悪用する企業がいれば、排除する仕組みも必要だ」としている。」
テラ、コロナ治療薬開発巡る「FRIDAY」の記事に反論(IG証券)(再掲)
米SECは活発に警告・摘発を行っているようです。日本の金融庁にもがんばってほしいものです。
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当サイトの関連記事(2020年10月)(SECがワクチン開発に関する開示に不正の疑いがある会社を調べているという記事について)
その2(2020年4月)(SECがコロナに便乗した開示を行った会社に関し警告を出したという記事について)
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