米国の議決権助言会社、インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が米SECを提訴したという記事。
「SECは8月21日の指針で、ISSの助言が証券取引法の委任状勧誘ルールに基づく「勧誘」に当たるとして、規制対象になると明言した。ISSはSECの新指針に反発していた。議決権助言会社は顧客の求めに応じて意見を述べているだけで規制の枠外にあると主張してきた経緯がある。
証券取引法の規制の枠組みに位置づけられると、助言内容の決定過程に透明性が求められる。ルール違反の疑いがみつかればSECに摘発されたり、企業から提訴されたりする恐れが出てくる。企業が助言内容に口出しするようになれば、助言の独立性が揺らぐとの懸念もある。
ISSは米コロンビア特別区連邦地裁に提出した訴状の中で、SEC公表の指針は「違法」として差し止めを求めている。SECは助言会社の規制を巡って、新たな法律を制定するのではなく、解釈を明確化することで既存の証券取引法を適用する手法を選んだ。かねて米商工会議所など米産業界は助言会社への規制を強く求めており、そうした声に配慮したとの見方もくすぶる。ISSは規制適用は「恣意的だ」と主張する。」
通常は、当局による規制の強化は、経済界から反発を受けますが、議決権助言会社への規制は、経済界の利害と一致しているのでしょう(会社提案の議案に反対するよう助言するなどけしからん?)。
記事の後ろの方でふれていますが、日本の「スチュワードシップ・コード」改定の議論でも、議題として取り上げるそうですから、法律ではなくても、何らかの規制をするのかもしれません。
当サイトの関連記事(SECによる議決権助言会社に対する規制について)
その2(スチュワードシップ・コードの改定について)
Proxy Adviser Sues SEC Over New Guidance(CFO)
“We are deeply concerned that it will be used or interpreted in a way that could impede our ability to deliver our data, research, and analyses in an independent and timely manner,” ISS CEO Gary Retelny said in a news release.
“We believe litigation to be necessary to prevent the chill of proxy advisers’ protected speech and to ensure the timeliness and independence of the advice that shareholders rely on to make decisions with regards to the governance of their publicly traded portfolio companies,” he added.
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