当サイトでも何回か取り上げた、マレーシアの政府系ファンド「1MDB」の巨額汚職事件の関連で、米司法省と主犯格である実業家が和解して、7億ドル超を回収するという記事。さすがに、米国政府の収入とするのではなく、大半はマレーシアに返還されるそうです。
「司法省の幹部は30日の声明で「不正流用した資金を高額な美術品やカジノで散財していたロー被告や家族は、和解によって数億ドルを放棄せざるをえなくなった」と和解の意義を強調した。ロー被告が供出する資産にはニューヨークやロンドンの高級不動産や、米高級住宅地ビバリーヒルズのホテルなどが含まれる。司法省が1MDB関連で回収した資金の総額は10億ドルを超えることになる。
今回は民事の資産差し押さえ訴訟に関する和解だが、米当局は1MDBのマネーロンダリング(資金洗浄)などに関連し、ロー被告の刑事上の責任も追及している。司法省は今回の和解によって、ロー被告の刑事上の責任や将来の起訴が免除されるわけではないと説明している。マレーシアのマハティール首相は31日、米政府に回収した資金の返還を求める考えを明らかにした。」
この事件では、45億ドル以上が不正流出したとのことです。日本でも、数十億円規模の資産流出事件はたまにおきますが、桁が2つぐらい違うようです。ただし、かつては、日本でもイトマン事件のような巨大経済事件が起きています。
1MDBの債券発行に関わったゴールドマン・サックスの責任も問題になっています。
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マレーシア汚職でゴールドマンが和解金案 首相、要求額届かず拒否(日経)(記事冒頭のみ)
「1MDBを巡っては債券発行で調達した資金の一部が、本来の目的であるインフラ投資に使われず、賄賂などに流用された。ゴールドマンは同ファンドの債券引受業務をつとめ、約6億ドルの手数料収入を得た。
2018年11月に米司法省が資金流用に関与したゴールドマン元幹部を起訴し、法人の責任についても調査が続く。同12月にはマレーシア検察当局がゴールドマン子会社を起訴し、法人としての責任を追及している。
マレーシア政府とゴールドマンは水面下で和解に向けた交渉を続けている。マハティール首相はFTの取材に対し、ゴールドマンの提示した補償金支払額が20億ドル未満だったとした上で「我々はその額に満足しておらず、交渉を続けている」と述べた。「もし我々が満足のいく程度の対応をしてくれれば、75億ドルの支払いを要求しなかったかもしれない」とも付け加えた。」
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