会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

2018年6月期「業務及び財産の状況に関する説明書類」を公表(新日本監査法人)

業務及び財産の状況に関する説明書類(公認会計士法第34条の16の3第1項に規定する公衆縦覧書類)を公表

新日本監査法人は、2018年6月期の「業務及び財産の状況に関する説明書類」を9月6日にウェブサイト上で公表しました。計算書類も含まれています。

主な数値は以下のとおり。左から当期(2018年6月期)、2017年6月期、2016年6月期、2015年6月期、2014年6月期、2013年6月期、2012年6月期、2011年6月期です。

業務収入  98,941百万円←100,036←106,482←99,175←96,409←92,508←92,975←95,941
営業利益  1,822←2,227←3,738←227←170←315←2,028←4,113
税引前当期純利益 1,247←1,740←1,813←1,096←764←776←2,681← 2,241
当期純利益   237←388←272←800←284←352←507←1,875

構造改革費用約10億円が特別損失に計上されています。そのうち、約7億円は建物附属設備の償却です。実質的に、減損損失(要注記)なのでは。また、前期もほぼ同じ金額が構造改革費用として計上されています。毎期計上されるのであれば、営業費用なのでは。利益調整なのでしょうか。

売上の前期増減は以下のとおり。1千億円の大台を割ってしまいました。


(クリックすると拡大)

監査報酬はむしろ増えています(約25億円増)。

偶発債務の注記で訴訟にふれています(文言は前期と同じ)。

「重要な係争事件

元監査対象会社である株式会社東芝の監査証明業務に関して、同社の個人株主 2 名から13,011 百万円の損害賠償請求(株主代表訴訟)、及び国内法人から 3,500 百万円の損害賠償請求を受けているが、当法人は法的責任の存在を争って係争中である。」

期末の社員(パートナー)の数は、540 人(前期は556 人)となっています。社員・使用人合計では、5,578人(前期6,265人)と、687人(前期末人員の10.9%)も減っています。大量リストラの再来なのでしょうか、それとも、職員側からの離脱なのでしょうか。売上高は1%ほどしか減っていない(業務量もそのくらいしか減っていないのでしょう)のに、人員を1割も減らして、質の高い監査ができるのでしょうか(AI導入で人がいらなくなった?)。

監査クライアントの監査役等は、会計監査人の品質管理を確かめる必要があります。新日本の監査クライアントの監査役等は、監査品質にかかわる人員確保の問題について、新日本から説明を受けるべきでしょう。

人件費は、63,319百万円です。前期は「人件費」というくくりがなかったので厳密な比較はできませんが、同じ費目のものを集計すると68,395百万円となり、50億円ほど減らしています。本来、前期比較の表をつくって、丁寧に説明すべきでしょう。

当サイトの関連記事(新日本2017年6月期について)

コメント一覧

kaikeinews
もしそうなら、注でもつけて、説明すればよいのでは。
「業務及び財産の状況」を外部の人間がわかるように説明する書類なのですから。
リーディングカンパニーの一員
人員が前年比10.9%減ったのはIT部門を別会社に移管したから。
リストラだなんて出鱈目なこと言っちゃいけません。
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