昨年末に成立・公布された会社法改正の項目のうち、株主総会資料の電子提供制度の創設についての解説。
「会社法の改正により、株主総会資料を会社のホームページなどのWEBサイトに掲載し、株主に当該WEBアドレスを書面により通知した場合には、株主の個別承諾を得ていないときでも、株主総会資料を適法に提供したものとする制度(電子提供制度)の創設、および上場会社(振替株式発行会社)への義務づけがされました。議案の検討期間が現行よりも長く確保される点や、印刷・郵送に係るコストが削減される点が、主なねらいです。
株主総会参考書類、議決権行使書面、計算書類、事業報告および連結計算書類について、自社のWEBサイトに掲載する等の電子提供が可能とされます。ただし、株主から請求があった場合は、書面で提供する必要があります。」
この改正については、「公布の日から起算して3年6カ月を超えない日として政令で定める日から施行」とのことです。
書面での提供も残るので、効果は限定的でしょうが、もっと早く施行されていれば、新型コロナの事務作業への影響を少し緩和できたかもしれません。
有報提出会社には優遇措置があります。
「有価証券報告書提出会社については、電子提供措置開始日までに電子提供措置の対象となる事項を記載した有価証券報告書の提出をEDINETにより行う場合は、電子提供措置をとることを要しないと規定されています。」
「この対応を行うためには、株主総会にかなり先立って有価証券報告書を提出する必要があるわけであり、定時株主総会の7月以降の開催の進展や有価証券報告書と会社法の開示書類との一体開示が今後実務にさらに浸透していかなければ、スケジュール的に難しいといえます。今後の制度の議論や各企業の動きを注視する必要があると考えられます。」
有報を株主総会より早く出したくない会社には、意味がなさそうです。
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