会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

税理士法改正に関する日本税理士会連合会との合意について(日本公認会計士協会)

【能力担保措置を阻止し公認会計士の国際標準を維持】税理士法改正に関する日本税理士会連合会との合意について(会員専用ページのためID、パスワードが必要)

日本公認会計士協会は、税理士法改正問題について日本税理士会連合会との間で合意に至ったことを、12月5日に公表しました。

「税理士となる資格を有する公認会計士とは実務補習団体等が実施する研修(実務補習)を受講したものをいう旨を税理士法に追加する」ことで合意したとのことです。協会によれば、実務補習は会計士になる際にいまでも必ず受講しているので、「公認会計士が税理士登録をするに当たって追加的な能力担保措置を講じることを阻止」したことになるそうです。

(法律は立法府である国会が決めることですから、会計士協会と日税連が合意したからといって、確定したわけではないような気もしますが、日税連がこの案で国会議員や財務省にロビーイングするのに反対しないというぐらいの意味なのでしょう。)

(補足)

12月6日に開催された会計士協会東京会の研修で、この件について、会計士協会会長自ら説明していました。税理士会の攻勢に対し、協会として迅速に対応したようです。会計士の方は、今後、研修会などでこの件に関し協会からいろいろ説明を受ける機会があると思いますが、聞いておいて損はないと思います(実務に役立つわけではありませんが)。

ところで、この研修会の前半は職業倫理の研修(不正対応基準などがテーマ)で、大学教授が講義していたのですが、当サイトと思われるブログのことにふれていて驚きました。

職業的懐疑心についての解説の中で、あるブログの記述の中の「「4回懐疑心と唱えれば、不正が発見されるのか」という批判の浅薄さ」(研修レジュメより)を指摘し、職業的懐疑心の重要性を力説していました。

帰ってから、どういうふうに自分が書いたのか確認してみました。

当サイトの関連記事
(新基準で監査が変わるという報道に対して、(「4回」ではなく)基準の項目数に合わせて「5回唱えたからといって、監査手続は変わらない」と書いていました。)

その2
(基準案について「懐疑心、懐疑心と、何回も唱えれば、ご利益が得られるというものではない」と書いていました。)

これは、基準の「第一 職業的懐疑心の強調」の第1項で、「監査の全過程を通じて、職業的懐疑心を・・・」と書いており、それ以上、何度も書くというのは、基準の作り方として稚拙ではないか、2項から5項までは懐疑心を保持・発揮する(あるいは「懐疑心を高め」る)場面のようだが、これは限定列挙なのか、例示列挙なのか、という疑問を述べているところです。職業的懐疑心が重要でないと言っているのではありません。

しかし、「職業的懐疑心」の意義を深く吟味して書いているわけではないので、「浅薄」であるという指摘は当たっていると感じました。

もっとも、当サイトをご覧になっている方は、きっと、情報収集の際にも「職業的懐疑心」を発揮されて、当サイトの記述をうのみにせず、他の信頼できる情報で確認されているものと思われます。

また、当サイトでは、不正経理の事例を報道等から収集し紹介しておりますので、それらも参考にして「職業的懐疑心」を高めていただきたいと思います。少なくとも、不正はどこにでも起こり得るということはわかるでしょう。
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