経営財務の3月15日号で、「非上場会社の会計基準に関する懇談会」の第1回の模様が報じられています。
「会合では、非上場会社の会計基準のあり方について、会社を規模等によって3ないし4のグループに区分、グループ別に異なる会計基準を作成する方向性が示された」とのことで、具体的には、以下のような区分を検討しているようです。
1.金商法適用の非上場会社
2.会社法上の大会社
3.会計参与設置会社
4.その他の中小企業
2をさらに従業員数などで2つに区分する案や、3と4を(法定)監査義務のない会社としてひとくくりにする案も出ているそうです。
会計士協会などは、監査で適正かどうか判断するための基準はひとつだけだという考え方ですから、それに従えば、1と2は同じ基準とせざるを得ません(実際には注記の範囲などで大きく差が出ていますが)。さらには、上場会社と異なる会計基準にする理屈もないので、「1+2+上場会社」は同じ基準(たぶんIFRSかそれに近い日本基準)が理想的です。
したがって、会計士的見方からすると、1と2で(場合によっては上場会社も加えて)ひとつの区分(正規の会計基準を使うグループ)、3と4はでまた別の区分(簡便な会計基準を使うグループ)となりますが、それだと基本的には現状とあまり変わりませんし、懇談会に加わっている日本経団連などからもクレームがつくかもしれません。
他方、数からすると、4が圧倒的に多いわけですが、懇談会のメンバーをみると、4を中心に議論するというわけでもなさそうです。
記事によれば、法務省からは「(基準が異なっても)分配可能額が異ならないようにして欲しい」という無理難題も出されており、迷走必至という感じです。
6月下旬にも基本的な考え方をまとめた報告書が出るそうです。
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