スーパーゼネコンの一角、大成建設の2009年3月期が赤字に転落するという記事。営業利益・営業キャッシュフローも赤字となるそうです。
「大成は15日に09年3月期決算を発表するが、連結純損益は242億円の赤字、連結営業損益も7億円の赤字に転落する見通し。
不況にあえぐ建設業界とはいえ、営業赤字に陥るケースは珍しい。三井住友建設、フジタ、長谷工コーポレーションといった準大手でさえ同期は営業黒字を確保する見込みで、大成の苦境が際だっている。」
「業績悪化の要因としては、国内不動産デベロッパーの相次ぐ経営破綻で総額221億円の損失が発生。さらに、海外での受注激減も響いた。
08年4-12月期の海外受注は前年同期比約60%減の720億円。海外売上高の半分が中東・北アフリカ地域に集中しており、昨年9月のリーマンショック以降、産油国の景気減速が加速したことが影響した。」
大成建設は純資産が3000億円以上あり、この記事は少しおおげさな感じはします。バブル崩壊後のような巨額の不良資産を抱えているといった状況ではないでしょうから、一時的な赤字なのでしょう。しかし、海外工事もダメ、民間企業の設備投資も大きく落ち込み、マンション工事も低迷ということになると、景気刺激策で公共工事が増えるとはいえ、大成に限らず、どのゼネコンも厳しいのかもしれません。
2010年3月期からの工事契約会計基準適用による完工高水増し効果はどのくらいなのでしょうか。どうしても利益がほしければ、過年度受注分も一括適用して特別利益に計上することも可能です(その場合は完工高水増し効果はなし)。
「・・・CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場では、企業としての信用のなさを示すプレミアムが700ベーシスポイント(7%)台まで上昇。鹿島の400台、清水、大林の200台と比べ、企業としての信用度は著しく低い。」
ちなみに、大成建設は、10月1日に上場子会社を株式交換により完全子会社化するようです。一種の資本充実策といえるでしょう。負ののれんが発生すれば、利益にもプラスになります。
大成建設株式会社による大成ロテック株式会社の株式交換による完全子会社化に関するお知らせ(PDFファイル)
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